2021年2月14日日曜日

米国株式のTransfer agentとは

米国株式のTransfer agentとは

米国Unclaimed Property(未請求資産)の手続を進めていると、US Broker(米国証券会社)の名称や、DTC番号等の情報を教えてください、という追加連絡を受け取ることがあります。

このような追加連絡がくる理由として、以下2つが考えられます。

理由1) 日本への資産返還を小切手の払い出しではなく、その証券を保有していた元の金融機関に、証券を戻すこと希望した

理由2) 当初、州へ提出したClaim form(返還申請書)に、資産返還の方法を明記していなかった

州の担当者が、州へUnclaimed Propertyとして移管された米国株式等の証券を売却したいのか、それとも元の証券会社へ戻して、もう一度運用したいのかを確認してくれているということでしょう。




ComputershareはUS brokerに該当しない


Computershareという会社に保有していた株式が、Unclaimed Propertyとして米国の州へ移管されたというケースをたびたび取り扱っています。しかし、Computershareは、Transfer agent であり、US brokerではないため、Computershareに株式などの証券を元通りに戻してもらうということはできないようです。

Computershareに株式を保有しており、それが州に移管された場合については、アメリカの証券会社に自己名義の口座を保有していない限り、小切手で日本に返還されることになります。
現在、外国小切手を取り扱っている金融機関は限られていますので、本当ならば、小切手での受領は避けたいところです。ただし、選択肢が無い場合は、外国小切手で受領し、日本の金融機関で換金するということになります。

<※海外小切手については、こちらの記事もご参照ください>

Transfer agent(トランスファー・エージェント)とは?


Transfer agent(トランスファー・エージェント)といえば、Computershareを思い浮かべる人が多いようです。Transfer agentを日本語で言うとすれば、証券名義書換会社といったところでしょうか。一方、Brokerage form は、証券会社のことを指します。

Transfer agentには、主に3つの役割があるようです。
1.証券の所有権の変更を記録すること。
2.企業と株主等との間の仲介者として機能すること。例えば、証券名義人への利息や配当金の分配など。また、株主総会等の書類を送付すること。
3.破損・盗難・紛失した債券の管理。例えば、このような証券の名義変更を一時ストップさせることができます。

Lost security(紛失証券)


過去に、証券を紛失してしまった方のLost securityに関する手続を支援したことがあります。証券が紙で発行されていた場合には、名義変更時に証券原本の提出を求められます。証券の原本を提出することができないときには、Lost security(紛失証券)の手続をとる必要があります。


参考記事:Stock Transfer Agent vs Brokerage firm
https://www.brokerage-review.com/expert/self-directed-vs-managed/brokerage-firm-vs-transfer-agent.aspx


Computershareで保有している株式に関する相続手続や書類作成について相談したい


以下のご相談受付のページよりご連絡ください。

海外のキーパーソン・弁護士/会計事務所のご紹介や通信代行、書類翻訳、進め方についての各種コンサルティングが可能です。海外の方との連絡はご自身で対応するが、その対応についてのアドバイスのみほしいというケースにも対応しております。

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笹山千惠子(Chieko Sasayama)
- CS planning(FPオフィス) 代表
ファイナンシャル・プランニング技能士(AFP)
行政書士 (登録番号 第10091566)
個人情報保護士(2010年合格)
著作権相談員名簿(文化庁等に提出)登載
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2020年11月20日金曜日

日本の公証(Notarization)とアメリカの公証(Notarization)の違い

昨年のことです。海外遺産のご相続に必要な書類に公証(Notarization)を取得する必要がでてきました。海外の遺産相続には、必ず付き物なのが「公証手続」です。

実は、アメリカでの「公証」に対する認識と、日本でいう「公証」に対する認識は異なる部分があります。
簡単に言えば、アメリカで公証といえば、(語弊があるかもしれませんが)比較的カジュアルな印象であり、市民生活の中に馴染みがある行為といったところでしょうか。一方、日本では、公証というと、あまり日常的には行われない行為であり、少し敷居が高く馴染みがない行為というように感じます。




日本の印鑑文化と公証


なぜ日本では公証という行為に馴染みがないか、というと、ひとつの理由として、日本では押印文化が根付いていることも挙げられるかもしれません。

印鑑登録という制度もあり、本人作成の書類であるということは、印鑑を持って証明することができます。そのため、わざわざ、手書きの署名を第三者が証明する、といった手続が必要ないから、というわけです。

2020年現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、押印廃止、書類の電子化を進めるなどの流れが加速しているようですが、印鑑には、日本における書類作成を便利にしてきた側面があると思います。

なぜなら、もし印鑑が無ければ、本人作成書類ということは、欧米と同様に署名で証明する必要があり、「その署名が本人のものである」ということを証明するための制度や仕組み、が必要となってくるからです。

アメリカでは、銀行で、その銀行と一定の取引がある顧客であれば、その顧客の署名を保証するサービスも提供しているところもありますし、Medallion Guarantee Signature(メダリオン署名保証)などというものもあります。(これまた日本在住の人にはやっかいな制度ですが…)要するに、欧米におけるこれらの署名を保証する制度は、印鑑が無い故に発展してきた制度なのかと思われます。

「その書類の署名が本人のものである」ということを証明する必要が無く、自治体で数百円で取得できる印鑑登録証明書などで本人作成書類であることが証明できるのは、こう考えてみると、便利な制度ですね。
まあ、すべてオンライン化になっていくのであれば、セキュリティが担保される限り、オンライン署名というのでしょうか、それが一番便利なのではと思いますが…。

印鑑についての話は長くなってしまいますので、話を元に戻します。

日本の公証とアメリカの公証の違いがどこからくるものか、ということについては、印鑑文化の有無以外には、日本の公証制度が、もともと大陸法由来のものであり、英米法由来のアメリカ等の公証とはとらえ方が違う、ということもあると、随分前に公証人の先生からお聞きしたこともあります。
(その先生は『格式が違う』という言い方をしておられました。)

アメリカのオンライン公証


海外の遺産相続を進めていたとき、海外での手続を担当しているアメリカの弁護士と、日本での公証は、アメリカでの公証手続を行うより、料金も高く、個人にも馴染みがない…などと、話をしていたところ(つまり、私としては、お客様にご負担いただく費用が嵩んでいくため、気軽に公証を求めないでほしいという意図もあったので…)、
「それだったら、アメリカの〇〇州ではオンラインで公証することが可能になったので、オンラインでやってみますか」
という提案をいただきました。

おそらく、私が、「日本での公証には費用がけっこうかかるし、一般には馴染みがないものなんですよね」と伝えたことを受けて、アメリカではそれに比べて安価であるし…、ということでの提案であったかと思います。
ありがたいことですが、時差があること、言語の壁があること、そして、高齢のご相続人様がオンラインで対応すること諸々を加味し、やはり日本で公証を取得することにしました。

しかし、もし、日本にいながらにして、オンラインでアメリカで公証が取れたら、便利ですね。もし機会があればトライしてみたいところです。

公証(Notarization)手続や書類作成について相談したい


もし、海外に資産を残してお亡くなりになった方の遺産相続の場合など、公証(Notarization)を求められた場合には、是非ご相談ください。
※ただし、当事務所では公証自体を付与することはできません。公証取得支援を行います。
※行政書士による認証についてはご提供可能です。

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2020年9月15日火曜日

アメリカのUnclaimed Property 未請求資産を保有していたことを証明する書類とは

Unclaimed Property(未請求資産)を保有していたことを証明する書類とは?


最近、Unclaimed Property(未請求資産)の解除申請の件で、アメリカの州政府から追加で書類提出を要求されるケースがありました。

追加書類の提出を要求されるというのは、よくあることなのですが、さらによくあることとして、必要のない追加書類まで要求される、というケースです。

何らかの誤解や、(おそらく文化の違いによる)理解不足により、既に提出済の書類で十分であるにもかかわらず、同様の書類を更に提出してくれ、といわれることがあります。

このような件では、先方に、既に提出した書類で十分である旨を丁寧に説明し、追加書類の提出は免れるようにしたいところです。

先方の言うがままに対応していると、必要のない書類まで、次から次へと相手に渡してしまうことになります。個人情報を含む書類に関しては、不必要な情報は極力相手へ出さない方針で、対応したほうがよいと考えています。




ビジネスをしていたことを証明する書類って?


さて、本題に入りますが、Unclaimed Property(未請求資産)の解除申請において、どの州の件でも必要となってくるのが、Unclaimed Property(未請求資産)を保有していたことを証明する書類です。

それは、例えば、資産を保有していた金融機関から発行されたステートメント(statement)と呼ばれる残高明細書や、それに類する書類のことです。金融機関のレターヘッドや、担当者の署名の付いたものであれば、何らかのレター(手紙)でも問題ないはずです。ご自身が、州に資産が移管されたことを知った時の通知なども該当する可能性があります。

この書類について、アメリカ州政府のOffice of Unclaimed Property(未請求資産事務所)のインストラクションをぱっと見ただけでは何のことか分からないというご質問をいただくことがあります。

例えば、以下のような指示です。

Documentation that you did business with the company listed in Section A. Such as a statement, stock certificate or correspondence from the company regarding your account at or before time of escheatment.

これは、Unclaimed Property(未請求資産)を保有していたことを証明する書類、すなわちステートメント(Statement、残高明細書)等が提出書類である、という指示です。

紙でお持ちの方もいらっしゃいますが、最近ではオンライン上でしか入手できないこともあります。オンライン上でしか入手できない場合にでも、それにしかるべき証明を付して利用することが可能です。

また、既にUnclaimed Propertyとして金融機関から州に移管されている場合、バランス(残高)はゼロになっていることがありますが、残高ゼロのステートメントでも利用は可能です。要するに、ご自身名義のご資産が、その金融機関で保有されていたこと、が証明できればよいわけです。

ステートメント(Statement)はどのように手にいれる?


ステートメント(Statement)の入手方法に関しては、以下の方法が考えられます。

●もともと資産を保有していた金融機関でオンラインで入手できる場合は、オンラインで入手する。(オンラインで取引ができるアカウントやパスワード等をお持ちの場合)

●もともと資産を保有していた金融機関に依頼して郵送してもらう。

●定期的に送付されてくる紙のステートメントが手元にあれば、それを利用する。

できれば最新のものが望ましいですが、その金融機関に資産があったことを証明できるようであれば、いつ発行されたものでも受け付けてもらえるようです。
名義人名、住所、口座番号が記載してあり、金融機関のレターヘッド付きの用紙に印刷してあるということなどを確認しましょう。

ステートメント(Statement)で確認するポイント


ご自身が保有しているステートメント(Statement)で確認する点は、ご住所やお名前が、現在のものと同じかどうか、という点です。
ステートメント(Statement)記載のご住所が、引っ越し前のご住所であったり、姓が変わる前のものであった場合は、追加で書類が必要となる可能性があります。


<<参考記事>>

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2020年6月28日日曜日

国際ロマンス詐欺にご注意を

海外の遺産相続を手伝ってください、という国際ロマンス詐欺?


2020年6月11日か12日頃、夕刊の一面に何気なく視線を向けたところ、「国際ロマンス詐欺」という見出しが目に入りました。その内容は、以下のリンク先の記事のようなものでした。

神戸新聞(※私が見た新聞は、神戸新聞ではありませんが…便宜上、リンクを引用させていただきました。)

国際ロマンス…ではありませんが、海外相続を持ち出すメール詐欺というと、海外から突然メールがきて、「我が国の身分の高い方がお亡くなりになって、遺産を何億も残している。その受け取りを手伝えば、遺産の一部をあなたにも分け与える」とか、
「あなたの姓(名字)は、亡くなった資産家が生前に指定した姓であり、あなたに多額の資産を相続させたいので、コンタクト先を教えてほしい…」とかいうものがあります。

よくもまあ、こんなストーリーを思いつくなあと思いますし、もし本当にそんなことがあったら凄いなと思いますが、100%詐欺です。多くの方々がそうしているように、一切関知せず、見てしまった場合は、ただちに削除しましょう。


普通の海外の相続手続と違い、違和感を感じるところ


例えば、海外の相続で困っている恋人(外国人)から、「相続に関して海外の裁判所や公的な機関で手続が進んでいて、その手続のために実費が必要だから、送金してほしい」といわれ、それが1度きりではなく、何度か送金してほしいという要求があった、というような場合。

まず、海外の裁判所で相続の手続が進んでいる場合…一般的には、何らかの弁護士事務所等の法律事務所が、依頼人(相続人)から委任を受けて手続をしているはずです。ですから、まずはその弁護士事務所はどこにあって、担当弁護士は誰か、が気になります。

ただ、「弁護士事務所はここで、担当はXXXXで、ライセンスカードはこれです」というように、至極まっとうにみえる返信があったとしても、安心はできません。

なぜなら、そのような書類は簡単に偽造できるからです。手にとって原本をまじまじと見るならまだしも、オンライン上では、本物かどうか見分けることは非常に難しいでしょう。

また、弁護士が本物かどうか、ということより、私がもっと違和感を感じる点は、相続の手続の途中で、実費が必要になったから、ということで複数回にわたり送金を求める、というところです。ゼロとは言い切れませんが、たびたび送金が必要となること自体が、海外の相続手続では考えにくい、ということです。

なぜなら、そういった費用は、必要となった都度相続人から支払いを求めるというよりは、最終的に遺産から精算する方法がとられるからです。私の経験上、ヨーロッパ、アジア、アメリカ、オセアニア、どの国の弁護士も、もちろん、日本も、専門家報酬や費用は、遺産が解約されたら、その時点で精算し、経費清算後の遺産の額を相続人宛に送金する、という方法をとるからです。

もちろん、最初に弁護士事務所に手続をお願いするときに着手金として1回送金するというのは十分にあり得ますが、その後も何回もたびたび送金が必要となるというケースは、考えにくいというのが正直なところです。

というわけで、恋人が、相続手続で、たびたび送金を求めるというのは、考えにくいですし、そのうえ、遺産相続という話になると、その性質上、金額も多額になりがちです。どんなに心を惹かれている相手であったとしても、金銭を送金してほしいという要求については、一旦立ち止まって、落ち着いて考えていただくのがよいと思います。

例えば、SNSを介してお付き合いを初めて、数か月も経たないうちに、海外の遺産相続の話がでてくるという場合。人の生死は分からないものですから、そのようなケースもあるのかもしれない、とは思います。しかし、金銭を送金してほしいという要求については、とにかく冷静に考えていただく必要があるのではないかと思います。
上述のように、通常、相続手続の「途中」で、たびたび相続人から支払いが必要となるというケースは稀(というか、ほぼ無い)だからです。

お困りのときは、早急に国民生活センター、警察などへのご相談をおすすめします。

2020年6月26日金曜日

死亡証明書(Death Certificate)とは?


海外の遺産相続の手続シリーズ:死亡証明書(Death Certificate)とは?



題名から話題は外れますが、2020年6月で、 行政書士の登録が10年となりました。比較的若い頃に登録しましたので、登録したての頃は、「こんな若造に大丈夫かな…?」と、お客様も不安になったりしていないか、そのようなことが心配だったりした時期もありました。実際に、「どのくらいご経験があるんですか?」というようなことを聞かれたこともありましたし、年齢を聞かれたこともありました。そういったお客様の気持ちは、すごくよくわかります。逆の立場だったら、やっぱりそう思っただろうな、と思います。

行政書士の登録を決めた日のことは、今でも脳裏にありありと思い出すことができます。ここまで長く続けられたのは、家族と、そして、一緒に働いてきた仲間のお陰です。本当にそう思います。ありきたりですが、初心を忘れずに、ますます精進していきたいと思っています。


死亡証明書は日本のどの証明書に該当するか


話は大きくずれましたが、海外の相続の際には、必ず「死亡証明書(Death Certificate)」を求められます。これは間違いなく100%必要になります。

しかし、日本人が日本国内で死亡した場合についていえば、日本国内では「死亡証明書」という証明書は発行されていませんので、「死亡証明書」というタイトルの書類を取得することはできません。

そこで、その代わりとして、死亡の旨が記載された「死亡届記載事項証明書」を利用することを検討します。(※ただし、死亡届記載事項証明書は、どのケースでも取得できるわけではないので、注意が必要です。)

その他、病院で取得できる「死亡診断書」で代用することもあります。病院で取得できる死亡診断書は、保管期限があるので、何年も前にお亡くなりになっているケースでは、病院での保管期限が過ぎていて、発行していただけないことがあります。

日本で相続があった場合に死亡を証明する書類といったら、戸籍(除籍)謄本となるのがスタンダードですが、戸籍制度の無い外国の相続では、そもそも戸籍謄本とは何ぞや?ということになり、戸籍謄本が死亡証明書として受け付けられない場合があります。

『戸籍謄本は公的機関が発行した書類だし、被相続人について「死亡」という記載が明瞭にあります。これがあなたの国の死亡証明書に該当するものですよ』と、丁寧に説明したとしても、頑なに「死亡証明書」を求められることがあります。

日本の公的機関が発行した書類なのに…これはどうしてなんだろう、と、ある機会に海外の弁護士さんと話すことがありましたが、おそらく、「海外では見慣れない書類だからなんじゃないか」という結論に至りました。

そういうものなのかもしれません。海外では、結構気楽な感じ(?)でやってるんじゃないかなと思ったりします。折に触れ、そのように感じることがあります。

見慣れない書類が外国から送られてきたので暫く放置していたけど、それでどうしました?というような。こちらがあまりに真剣なので、その温度差が、こちら側のストレスを生んでいるような気がしないでもありません。自分も真面目な日本人なんだなと感じることが、しばしばあります…。

海外に動けるご相続人様などがいらっしゃる場合は、日本大使館(領事館)で死亡証明書を取得するのがベストだと思います。

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2020年4月13日月曜日

海外の遺産相続はとても時間がかるという話

海外の遺産相続は時間がかかります


さて、日本はコロナウイルスの感染拡大により、大変な事態になっておりますが、私の事務所はご面談でのご相談は控えている他は、通常どおり営業しております。

当事務所の案件をお願いしているアメリカ(特にNY)の事務所も、現在は大変な状況のようです。そのような中でも、こちらから「お願いします…」と案件の進行をお願いすれば、快く引き受けてくださる、とても頼もしい先生方で、非常に感謝しています。(もちろん先生方自身の人命優先に、というお断りをいれて、ですが)

また、同時に、他国から「お願いします…」とお仕事の進行を承ることもあり、仕事熱心な姿勢に、改めてこちらも刺激を受けています。
とにもかくにも、まずは安全を最優先にし、また、自分自身がウイルスを広めないように注意しながら、出来る範囲でお仕事を粛々と進めています。


海外の遺産相続については、数年がかりになる可能性も高い


さて、そんな中ではありますが、ご相続に関するご資産が無事にご相続人様へ戻った件があります。けっこうスムーズに進んだ印象を受けた件でした。そのような件でも、ご相談からここに至るまでは、約1年程度要しています。

もっと速く完了した件もあります。ただ、海外では、日本と法律や制度が異なるため、ある一定期間は、相続財産を解約できなかったり、ということもあり(正確に言うと「できない」わけではないのですが)、どうしてもご相続人様のお手元にご資産が渡るまでに、それなりに相当な時間を要するのが通常です。

国内のみのご相続であっても、やはり時間がかかるケースもあると思いますが、海外のご相続に関しては、どの件であっても(額や資産の種類にもよりますが)、時間がかかるものである、という心構えでいたほうがよいと思います。

特に、海外にお亡くなりになっていた方がお住まいになっていたご自宅等の不動産があるような場合、その不動産を鑑定評価し、売却市場に出し、売却換金する…というようなことにも非常に時間がかかります。また、海外の相続では、ほぼ裁判所が関与してきますので、そこで行われる検認の手続にも時間がかかるケースがあります。

海外の遺産相続については、準備に時間がかかる


海外の資産に関することや、遺産のご相続については、準備にせよ、何にせよ、想像よりもずっと時間がかかるものです。パッと思いついて、誰かに頼んで、サッと解決できるような感じではないものです。

まずはその事案のバックグラウンドを確認することから始まり、資料収集・確認、英訳等、海外の専門家の選定、書類作成、金融機関へのコンタクトなど、いわば、相続手続の序盤戦の作業に結構な時間を要します。

むしろ、この序盤戦の資料作成や在外専門家との事案確認が済むと、あとは比較的流れに任せて待つ時間が長い、というような印象です。

「いついつまでに解決させたい」、という希望があるとすれば、可能な限り早め早めに動くのが得策といえるでしょう。
場合によっては、ご相続人様がご高齢の場合、海外資産の相続が1年、2年というような単位で時が経過すると、ご相続人様がお亡くなりになり、更に別の相続が発生するというケースもありえます。

海外遺産の相続に関して相談したい


海外遺産を残してお亡くなりになった方のご相続に関するご相談については、専門の当事務所へ是非ご相談ください。各種証明書類の翻訳(英訳、和訳)についても承ります。
※現在コロナウイルスの影響で実際にお会いしてのご相談は差し控えております。電子メールや電話でのご相談は随時承っております。書類作成についても同様に可能です。

その他、海外の弁護士事務所・会計事務所との通信代行、書類翻訳、進め方についての各種コンサルティングが可能です。

心に不安やすっきりしない気持ちを抱えている方の一歩踏み出すお手伝いができれば幸いです。
そして、固まってしまっているお金を、動かせるお金にして、ご自身の人生や、大切なご家族・ご友人、そして、社会のために有効活用していただけるよう全力でサポートいたします。

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2019年11月22日金曜日

海外資産については遺言を作成しておくべき

海外に資産があるときは遺言を作成しておくべき


ここ最近、アメリカを含め数か国の国際弁護士と話をする機会がありました。その際に、どの国際弁護士とも話題になったのが、海外の資産についての「遺言」のことについてです。遺言書(以下、遺言書、として統一して記載します)があるか無いかで、海外資産の相続の手続が変わってくるからです。

日本では、生前対策として、遺言書を遺す方もいらっしゃるとは思いますが、どちらかというと、遺言書を作成することなく、お亡くなりになる方が多いのではないかと思います。

実際に、2017年3月に行われた日本財団の調査によれば、60歳以上の人のうち、遺言書の作成に無関心な人は7割を超えているそうです。

さらに、その調査によると、遺言書の作成済の方は4.9%であり、無関心の方は72.6%だったとのこと。作成しない理由としては、「書くほどの財産を持っていないから」というのが最も多かったとのことです。遺族任せで問題ないと考える人も目立ったそうです。

一方、海外では、遺言を作成しておくことが、概ね一般的という国もあります。



話は海外からずれますが、遺言書というと、その「語感」から誤解をお持ちの方が多いかもしれません。私がここでいう「遺言書」は、亡くなった後の財産処分などについて伝える文書、のことです。もうすぐ亡くなりそうだから準備する、というものでも、死の間際だから準備する、というものでもありません。(場合によって、結果論的にそのような時期になることはあるかもしれませんが。)

私の亡くなった父のメモ帳に、「自分が亡くなるまで見ないように」というような一文が書いてあったページがありました。(父が亡くなった後、母から見せてもらいました。)
それは、どうやら、生前に父がしたためておいたもののようでした。そのページを開くと、「遺言」と書いてあり、そこには、数行ではありましたが家族への想いが綴られていました。それを目にしたときは、悲しく、でも、同時にあたたかい気持ちになりました。このような気持ちを文章で残しておくことは、遺された家族にとって、非常に意義深いことであると、実感しました。
しかし、これは私がここで説明している遺言書ではありませんでした。私の父がそうであったように、他の方も「遺言書」というものを同じように捉えているのかもしれません。

このように、人それぞれ「遺言書」に抱くイメージは異なるものですから、たまに、遺言書作成を勧められて気分を害してしまったという方の話を聞いたりします。別にもうすぐその方の死期が迫っていることを予見して相手が作成を勧めるわけではないでしょう。一般的な感覚として、もしもの事態に備えて、残された人が困らないように準備をしておいたほうがよい、というようなことなのではないかと思います。

ただ、誰かに遺言書の作成を勧めるというのは、相手が「遺言書」にどのようなイメージを持っているか分からない以上、誤解を招きかねない非常に勇気のいる言動であると私は思います。また、ご親族間のコミュニケーションが上手くいっていないご家族様の場合は、遺言書の作成を勧める裏に、ある一定の思惑があるという場合も、無いとはいい切れません。
そのため、遺言書は、冷静に、自分自身で自分の置かれた状況を見渡しながら自発的に準備をするものであると思います。そして、気になる点は必ず専門家に相談するとよいと思います。

海外に資産をお持ちの方の遺言書作成の注意点


前置きが非常に長くなりましたが、海外に資産をお持ちのかたの遺言書作成についてです。
日本人で、かつ、財産が日本のみにある場合には、日本でのみ通用する遺言書を作成しておけばよいことになりますし、場合によっては、上述の調査のとおり「遺族任せ」でも、ある程度は問題がなく進むこともあります。

しかし、海外に財産があった場合や、国籍が日本ではない方の場合では、遺言書を作成する際に、「自分の死後、間違いなく、遺産が、自分の意思どおりになるかどうか」をよく確認・検討しておく必要があります。

つまり、その財産の場所や亡くなる方の国籍によって、お亡くなりになった後の相続において、どの国の法律が適用されるかが異なってくるからです。

また、遺言書を法的に有効にするためには、どのようなことを書いておけばよいか、という点も慎重な検討が必要になってきます。海外では、書いておくべき条項がないと遺言自体が使えない、ということもあり得るからです。また、遺言書は遺してあっても、それを忠実に実行するのは非常に困難なものとなってしまうケースもあります。

その他、資産の種類や額によっては、税務に関しても一定の配慮が必要になってきます。

さらに、海外資産の所有の有無を問わず、遺言書を準備するだけで万全かどうかという点も検討したいところです。遺言書は「亡くなった後」に財産をどうしてほしいかという意思を伝える文書ですから、ご自身が生存している間については何もカバーされていません。

場合によっては、生きている間に認知症になった場合のリスクに備える任意後見(成年後見)や、死亡した後の家財の処分等(死後事務)に関しても検討をしておいたほうがよいケースもあるかもしれません。

海外の資産に関する遺言について相談したい


海外にご資産をお持ちの方の遺言作成に関するご相談については、専門の当事務所へ是非ご相談ください。まずは遺言を翻訳(英訳、和訳)して備えておきたいというご希望についても承ります。

その他、海外の弁護士事務所との通信代行、書類翻訳、進め方についての各種コンサルティングが可能です。海外の方との連絡はご自身で対応するが、その対応についてのアドバイスのみほしいというケースにも対応しております。

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2019年7月19日金曜日

海外の遺産相続を専門家に依頼するメリットとは?

海外の遺産相続を専門家に依頼するメリットとは?


今年(2019年)は梅雨が長く、からっと晴れる夏が待ち遠しいですね。
といいつつ、暑い夏が始まると、早く涼しくなってほしいと思うので、人間とは勝手なものだと思うのではありますが…

さて、夏の期間には、海外にお住まいの方も帰省等で、日本に帰る機会があったり、またご親戚が集まる機会も多いかもしれません。みんなが集まるこの機会に…ということで、お亡くなりになった家族のご相続について話が及ぶことがあるかもしれません。
ただ、この手の話というのは、正直なところ話しづらい話題である、という感覚をお持ちの方も多いのではないかと思います。

それはなぜかと考えると、やはり「資産」ということに話が及ぶことが多い。
…という点に尽きるのではないかと思います。
そして、ご相続のご資産というのは、どのような件であっても、亡くなった方の人生とともに時を経てきたご資産ですから、額にしても内容にしても、やはり、重みがあることが多いはずです。
いくら親戚が集まった場とはいえ、そういった、普段は奥の方にそっと仕舞いこんでいるような話題を持ち出すということは、精神的にも負担に感ずることも多いでしょう。

相続、遺言…といった、人の死が関係する話というのは、あたりまえですが、重いものです。
そういったときに、ざっくばらんに相談ができて、諸々の手続を代行してくれる人が存在するというのは、心強いのではないかと思います。私も、依頼してくださる方にとって、そのような存在になれたら、と思っています。




海外の遺産相続を専門家に依頼するメリット


さて、国内の相続でも大変なものですが、それのみならず、海外にご遺産が存在することが分かった場合はどうでしょう。
ご相続そのものの問題に加えて、言語や時差、現地の法律という問題にも直面してしまいます。
そこで、今までの経験上、海外にご遺産あることが分かった時には、やはり、海外の相続を専門としている専門家に依頼していただきたいと痛感しています。

巷にある様々な事務所も、お医者さんと同様に専門分野が分かれています。いくら大手の事務所であったとしても、得意分野が異なる場合、適切な対応をいただけるかは微妙なところです。
国際相続においては、日本と海外の法律や制度の違いがあり、そして、日本法には無い概念などがあります。海外のご相続に不慣れな事務所が取り扱うのは、容易ではありません。
その結果、ただでさえ時間がかかる海外の相続に、さらに時間がかかったり、コストが発生したりということが考えられます。

ここで、さらっと「時間がかかる」と言いましたが、時間がかかる、という言葉は、個人の感覚に依存しており、個々人で想像する長さが異なります。その曖昧さをよりクリアにすると、国際相続における「時間がかかる」は、数日、数週間という単位ではなく、月・年単位ということを示唆しています。

それでは、以下に、専門家に依頼する具体的なメリットを列挙してみましたので、ご参考にしていただければ幸いです。

<メリット1>
-時間を節約できる

ご自身で対応しようとした場合、ご自身の生活の一部をその作業時間に充てる必要があります。専門家でない限り、何度も手続したことがあり、手馴れているというわけではないでしょう。
現地から到着した手紙の解読や、現地の法律や事実の確認等々にかなりの時間を費やすことにもなり得ます。
毎日の忙しい生活の中にその作業時間を組み込むのは、かなりの負担になります。
また、相続人のひとりにその負担が集中する場合、他の相続人との不公平感を助長することにもなってしまいます。

<メリット2>
-精神的な負担を軽減できる

専門家を介在させることで、自身が抱えていた負担を軽減することができます。「あれ?」と思ったときに、相談できる人がいるということは、精神的な面でも、安心できる効果があります。
特に、海外のご遺産に関することとなると、例えばご自身に何らかの損害やリスクがあったらどうしよう、など不安になることが多々あるようです。
その場合にも、専門家に相談することで、悩みを解消することができるでしょう。

<メリット3>
-自身で対応するより速やかに完了できる

あくまでも、ご自身で対応するより、という比較論ですが(そもそも海外の遺産相続には時間がかかるので)、これまで数々の事例に対応してきた専門家を介在して対応するほうが、すみやかに遺産相続手続の完了まで到達することができるでしょう。

<メリット4>
-国内案件のみの取扱い事務所より経験が豊富なため困難に思える事例にも対応可能

主に国内の遺産相続のみを取り扱っている事務所では、海外のご遺産があるということで、その部分の取り扱いだけをお断りされたり、費用がかさむことがあります。
過去に数々の海外相続を対応している専門の事務所に依頼することで、スムーズに解決することがあります。

ここまで4つのメリットを挙げてきましたが、その他にも、翻訳や解読の間違いを避けられる、過去の事例に基づいた生きたアドバイスを得られる等があります。

国際相続の手続を任せる専門家を選ぶときに一番重要なこと


最後に、専門家を選ぶときに、特に重要な点をご案内します。
国際間の相続では、たとえ、現地に専門家がいたとしても、重要な件を託せる人であるのかどうか、すぐに足を運び、会って話して確認できるわけではありません。
信頼できる専門家を選ぶこと。それが、依頼の初動段階で、大変重要な要素となってきます。
なぜなら、相続手続では、自分や家族の戸籍・住民票、身分証明書などの個人情報や、金融資産や不動産の情報等、普段は人に絶対に見せないような個人情報を手続をする相手に委ねることになるからです。

何をもって信頼できると判断するかは個々人によって異なると思います。しかし、必ず、依頼する前に、担当してくれる方がどんな人かは必ず確認する必要があります。

また、海外の相続に関しては、基本的には、海外の現地だけではなく、日本での手続を支援する専門家も必要となります。例外もあるかもしれませんが、一般的には、日本国内でも書類(翻訳文等)を作成したり、公的機関での手続が必要となったりするものです。

よき専門家選びが、スムーズな手続にのみならず、精神的な安心感にもつながることは、間違いないと言えます。

海外の遺産のご相続手続や書類作成について相談したい


海外に資産を残してお亡くなりになった方の遺産相続については、専門の当事務所へ是非ご相談ください。

当事務所では、これまで、海外にご資産を残してお亡くなりになった方、また、海外在住の日本人が現地にご資産を残してお亡くなりになった場合など、様々な海外の遺産相続に関する案件に対応してまいりました。お陰様で、海外のネットワークは広がり、多様なお困りごとに対応することができるようになってまいりました。

海外のキーパーソン・弁護士/会計士事務所との通信代行、書類翻訳、進め方についての各種コンサルティングが可能です。海外の方との連絡はご自身で対応するが、その対応についてのアドバイスのみほしいというケースにも対応しております。
是非お気軽にご相談ください。

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個人情報保護士(2010年合格)
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2019年4月15日月曜日

Transfer Certificate(トランスファー・サーティフィケート)とは?

海外の遺産相続に必要な書類シリーズ:Transfer Certificate(トランスファー・サーティフィケート)とは?


やっと桜が咲き、花粉(杉)の季節が過ぎ去ろうとしています。夏に向かうこれからの季節は、日本の四季の中でも一番よい季節かもしれませんね。

このような清々しい季節がまた廻ってきたかと思うと同時に、去年の初夏にアメリカのInternal Revenue Service(IRS:内国歳入庁と訳されています)に、アメリカの会計士さんにお願いして申請したTransfer Certificateがそろそろ届くころではないか、と待ちくたびれています…。(かなり時間がかかる手続なので、しょうがありませんが)
(※2020年追記:こちらの件は無事にTransfer Certificateが発行されました😀。時間かかりましたね…。)

そういえば、今年の冬、日本のNHKニュースにアメリカのIRSの建物が映っていたのを偶然見る機会がありました。建物を目にしたのは初めてでしたので、少し感動を覚えましたが、その内容は、例のトランプ政権の諸々で、職員がストライキをおこし、手続が遅延しているというニュースでした。その影響が響いていないことを祈るばかりです。

※Internal Revenue Service(IRS:内国歳入庁)は、税金の徴収と税法の執行を担うアメリカの政府機関です。



Transfer Certificateとは?


さて、Federal Transfer Certificate(トランスファー・サーティフィケート:日本語での訳は、検索した限り見つけることができませんでしたが…譲渡証明書、といった感じでしょうか。)は、アメリカでの遺産相続に際し、1976年12月31日以降に死亡した方(被相続人:decedent)の相続について要求されるようになった税務関係の証明書です。
対象は、アメリカ居住ではなく、かつ、アメリカ市民ではない方が被相続人(死亡した人)である場合です。

ご興味のある方は、IRSのサイトを↓
https://www.irs.gov/businesses/small-businesses-self-employed/transfer-certificate-filing-requirements-for-non-us-citizens

どのようなケースでTransfer Certificateを要求されるのか


どのようなケースにおいても、このTransfer Certificateを要求されるかといえば、そういうわけでもありません。ケースごとに、確認が必要となります。例えば、アメリカで遺産の執行人が選任されている場合や、金融機関の内規などにより免除される場合には不要です。

アメリカの金融機関からの手紙の常ですが、「Transfer Certificate(トランスファー・サーティフィケート)を取得せよ」、という文言が自動的に記載されてしまっている場合があります。
その件に本当に必要かどうか、先方の機関の担当者が精査することなく、自動的に文言が掲載されて手紙やメールが来ることがあります。(けっこう、しょっちゅう、そういうことがあります。)
余分な手間をかけないように、本当にその書類が必要かどうか、まずは、いったん先方に確認したほうがよいでしょう。

Transfer Certificateには何が記載されているのか


発行されたTransfer Certificate(トランスファー・サーティフィケート)には、いったい何が記載されているでしょうか。私が知る限り、それは簡素な書類です。

Form番号と、Transfer Certificateというタイトルが書類の冒頭に記載されています。また、誰の遺産であるか、ということと、亡くなられた方の死亡日が記載され、その後、発行元の証明文が記載されています。
書類下部には、発行日や責任者の署名が記載されています。

Transfer Certificateの取得にはどのくらいの期間がかかるのか


Transfer Certificate(トランスファー・サーティフィケート)の申請をしてから発行までにかかる期間については、公式な発表もあるものの、その発行元であるアメリカのInternal Revenue Service(IRS:内国歳入庁)の処理状況によっては、かなりの時間がかかる場合があります。例えば1年、2年後に発行、というようなことも十分にあり得ます。

ただ、きちんと手続をし、定期的に催促をかけていれば、いずれ発行されるもののようです。しかし、取得までに時間がかかることは、申請時に覚悟しておいたほうがよいでしょう。

発行まで何年も待つのは嫌だということで、IRSにTransfer Certificateの申請を行わずに、米国資産の処理を進めてしまった方もいるようですが、これはあまりお勧めできません。

遺産が海外の資産、特に米国の資産を保有している場合、相続にあたっては、相続に必要となるすべての要件をしっかり調査しておくことが必要です。要件を無視したり、タックス・クリアランス(Transfer Certificateの手続)をしなかったりすると、手続の進行について深刻な影響を受ける可能性があります。

Transfer Certificateの申請は専門家ではなくとも可能なのか?


例えば、お亡くなりになった方の配偶者やお子様等が、専門家を介せず、直接、遺産が残されている証券会社とやりとりをされていることがあります。

手続が進む中で、「Transfer Certificateを提出せよ」などと指示があり、自分で出来るかどうか、調べている方もいらっしゃるかもしれません。
上記でご紹介させていただいたIRSのリンク中に、提出が必要な書類が列挙されておりますので、そこで確認することは絶対に不可能とは言い切れないかと思います。

しかし、「これは自分のケースに該当するのか?」といったことや、「ここはどう記載したらよいのだろう?」という疑問が、書類作成時には、湧いてくるものです。

そのような疑問が発生した都度、アメリカのIRSに問い合わせて確認したいと思うかもしれませんが、IRSという外国の政府機関への国際電話は、(様々な方面から得られた情報に基づく私見ですが)永遠につながらないといっても過言ではないでしょう。
とりあえず…の状態で提出した場合に、情報の不足や書類追加提出等が発生すると、通常でも恐ろしく時間のかかる手続が、更に恐ろしく時間がかかることとなってしまいます。
また、1年、2年近く書類の発行を待っていると、「IRSに忘れ去られてしまったのではないか」と段々不安になってきます。

私の事務所への依頼を勧めるわけではありませんが、もし、Transfer Certificateの取得が必要と判明した場合には、適時に的確に対応してもらえる専門家へ依頼することをお勧めいたします。

(笹山)最終更新:2022年3月

Transfer Certificateの取得手続や書類作成について相談したい


もし、海外に資産を残してお亡くなりになった方の遺産相続について、Transfer Certificateを取得しなければならない場合には、ご相談ください。
※毎年2月~3月の時期は、米国会計事務所のタックスシーズンにあたり、お引き受けできない場合がございますので、ご了承ください。

海外のキーパーソン・弁護士/会計事務所のご紹介や通信代行、書類翻訳、進め方についての各種コンサルティングが可能です。海外の方との連絡はご自身で対応するが、その対応についてのアドバイスのみほしいというケースにも対応しております。

心に不安やすっきりしない気持ちを抱えたままの状況から、
一歩進みだすお手伝いができれば幸いです。

当事務所は、
「海外資産のお悩みをひとつでも減らすこと」
「資産と安心をお手元に届けること」
を使命としています。

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2019年4月1日月曜日

海外で死亡した方の日本での届出

海外で死亡した方の日本での届出


海外で亡くなった日本人については、通常、現地の大使館/領事館に死亡の届出をすると、本籍地の役場にそれが連絡され、自動的に戸籍に死亡の事実が反映されます。

しかし、海外で亡くなった際に、その方の周りに、大使館/領事館での手続きをしてくれるようなご親族や知人がいない場合、死亡の事実が放置されてしまいます。その結果、日本の戸籍には、亡くなった方の記録がされないまま何年も経過していることがあります。

そうなると、日本でのご相続の場合や、その他の相続手続の場合に、日本での家族関係の証明となる書類である戸籍が利用できない事態となってしまいます。




日本の戸籍に海外で亡くなった方の死亡の記載がない場合


日本の戸籍に、海外で亡くなった方の死亡の記録が記載されていない場合については、お亡くなりになった方の本籍地の役場で、どのような書類が必要が相談する必要があります。
必要書類としては、一般的に、海外で発行された死亡証明書(Death Certificate)が要求されるでしょう。(日本語の訳文(翻訳者の証明付)が必要となります。)

その他、戸籍上にお名前のある人物と、その海外でお亡くなりになった方が、同一人物であるかどうかの証明書類等、追加書類が必要となることもあります。場合によっては、法務局での照会も必要となることもあるようです。

死亡診断書(Death Certificate)の翻訳


海外で発行された死亡証明書(Death Certificate)については、日本語への翻訳が必要となります。また、その翻訳文には、翻訳者の証明を付す必要があります。
翻訳の内容を参照して、戸籍の記録をするために、翻訳には正確性を期す必要があります。

突然発生した海外の遺産相続や書類作成について相談したい


もし、海外でお亡くなりになった方の死亡の届出や翻訳書類作成、そしてご相続自体を、ご自身では対応することが不安である、時間がないという場合には、是非ご相談ください。

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2018年12月13日木曜日

海外の遺産相続を突然知らされた時の対処法

海外の遺産相続を突然知らされた時の対処法


最近では、海外の遺産相続の話が、突然我が身に降りかかる事態も無きにしも非ずです。

…自分には関係ないと思っていませんか?しかし、関係ないと思っていたら、(言葉は悪いですが)面倒なことに巻き込まれてしまった!ということもあります。
そして、気が付いたら、あっという間に1年~2年が経過している、ということも珍しくありません。

例えば、このようなケースです。
---
アメリカなど、海外に住んでいる親戚がいることは知っていたが、年に1回くらい連絡すれば良いほうで、普段はほとんどかかわりがなく、そこまで親しくはない関係だった。
ある日、その親戚が亡くなったことを、その親戚の友人(外国人)からの国際電話(或いは手紙)で知った。

どうやら、その親戚は遺言を残していたらしく、自分が財産を相続すると指定されていた・・・。

(又は、遺言は残していないが、その親戚には子がおらず、相続人は日本にいる自分の親しかいない・・・。親は高齢なので、その親の子供である自分がコンタクト先となって四苦八苦している、というケースも、よく見受けられます。)
---

家族であっても、自身の両親、兄弟姉妹等が、どこにどれだけの財産を持っているのか、全て把握していない方のほうが多いのではないでしょうか。
そのような場合、財産が海外にあったとしたら、死後に、残された相続人は困ってしまいます。ましてや、親戚の財産についてなど、知らないのが普通ではないでしょうか。

生前に準備をしておくのが一番安心です。ただ、それは正論であって、そうは言っても、そのように生前に準備ができないことだって、もちろんあると思います。そこで、海外の親族に遺産相続があったことを突然知った時に役立つ対処法をいくつかまとめましたので、是非ご活用ください。




海外の遺産相続を突然知った時に確認すべきこと


1.海外の現地で動いてくれるキーパーソンは誰か

相続人として、海外の亡き親戚のもとへ飛行機等ですぐさま出向ける方はよいですが、一般的には、そのような方は少数派といえるでしょう。
その際、海外の現地での手続の進展や、手続自体を進めてくれる人、手続を教えてくれる人の存在が非常に重要になります。
そのような人は誰なのか(親戚のご友人など)、名前、連絡先はしっかり控えておくようにしましょう。可能であれば、電子メールアドレスなど、電話以外にも連絡がとれる連絡先を教えてもらえればベストだと思います。

2.現地の弁護士事務所等の連絡先

海外でお亡くなりになって、ご相続をする場合には、プロベイト(Probate)という裁判所が関与する手続を求められることもありますので、弁護士事務所等の法律事務所が相続手続を受任しているはずです。
その弁護士事務所の名前、所在、そして担当者の名前、連絡先(メールアドレス等)を教えてもらいましょう。

3.遺産相続についての関係書類

海外での遺産相続の際に、その相続手続に関係のある書類については、必ず共有してもらうようにしましょう。
例えば、遺言があるのであれば、その遺言全文、遺産目録等です。死亡診断書等もあるのであれば、写しをもらいましょう。

4.遺産の内容

遺産にはどのような財産が含まれているのか、プラスの財産だけではなく、負債については存在するのかどうか、確認しましょう。(上記の関係書類の「遺産目録」で確認できるはずです。)

突然発生した海外の遺産相続について相談したい


当事務所は、海外資産専門の事務所です。もし、海外の遺産相続についてのお困りごとがございましたら、是非当事務所へご相談ください。海外の遺産相続をワンストップでご解約までサポートいたします。また、海外のキーパーソン・弁護士事務所との通信代行、書類翻訳、進め方についての各種コンサルティングが可能です。

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2018年12月6日木曜日

海外の口座解約指示書の作り方

海外の口座解約指示書の作り方

もしかしたら、将来使うかもしれない…と思って、海外に口座を残して帰国してきたものの、日本に戻ったら、利用する機会は1ミリもなく、下手したらその存在自体を忘れてしまいそう…。

存在自体を忘れてしまうと、そのうち口座は凍結され、政府に移管されてしまう場合もあります。(Unclaimed Property アメリカの未請求資産と口座凍結の記事をご参照ください。)

かといって、海外で口座を開設した支店に赴くにも、航空運賃、ホテル代等々がかかります。

そして、何よりいつ行くか、という問題もあります。小さな子供がいたり、老いた両親がいたりなどで、家を空けることすらままならない場合もあります。

このように、日本国内にいながらにして、海外の口座を解約することを考えざるを得ない状況の方が多くいらっしゃいます。

もちろん口座を開設した支店に出向かず、解約することも可能、という金融機関も多く存在しますのでご安心ください。ただ、その場合には、正式な口座解約指示書の作成を求められる場合があります。




海外口座の解約指示書(Account Closure Request)とは



海外の銀行など、金融機関の口座解約をする場合に、その口座を解約したい旨を記載した指示書(Account Closure Request ※必ずしもこの名称ではありません)を英文で作成して提出することを求められる場合があります。

金融機関によっては、特定の解約フォームがある場合もありますので、解約指示書を一から起案する必要がないケースもあります。

もし、海外の口座を解約したい場合は、まず一度、金融機関指定のフォームがないかどうか、その金融機関のウェブサイトで調べる、担当者に問い合わせる等してみるとよいでしょう。

海外口座の解約指示書の内容


では、もし、金融機関指定のフォームがなかった場合、どのような内容にすればよいでしょうか。ウェブサイトで検索をすると、いろいろな指示書がでてくると思いますので、それを参考に自分で作成してみるのもよいと思います。

一般的なケースで記載すべき内容は、以下のとおりです。
  • 海外口座の名義人のお名前(共有ご名義の場合は2名分)
  • 現在のご住所、銀行届出のご住所
  • 現在の連絡先(電話番号、電子メールアドレス等)
  • 解約をしたい海外口座の口座の種類、口座番号等の詳細
  • 解約後の送金を受ける口座情報(※海外送金に対応してくれる金融機関の場合)
  • 解約をしたい旨
  • ご署名

上記はあくまでも一般的な記載事項ですので、それぞれの方のご事情によっては、追記すべき事項もあります。
例えば、
  • 住所や名前(姓)が変わっているが、金融機関へ連絡していない場合
  • CD(Certificate of Deposit)など、満期などがあるご資産の場合
  • その他、何か伝えたいことがある場合

海外口座の解約指示書作成時に注意すべき点


海外口座解約指示書には、必ずご名義人ご自身が署名をする必要があります。その署名には、公証や大使館の領事認証などを求められる場合もありますので、事前に金融機関に確認するとベストでしょう。

また、お名前、ご住所等のアルファベット表記には正確を期す必要があります。もし小切手(チェック)での解約となった際に、お名前のアルファベット表記が間違っている場合には、日本の銀行で受け付けていただけない可能性もでてくるためです。

なお、作成方法として、本記事で対象としているのは、ご名義人がご生存の場合です。もし、ご相続の場合で海外の金融機関から求められている場合は、その他にも記載事項や、記載の方法があります。

海外口座の解約指示書の作成代行・添削を依頼したい


もし、ご自身では作成することが不安である、時間がないという場合には、是非ご相談ください。起案、添削、コンサルティング等をお受けすることが可能です。ご希望があれば、海外口座解約時にちょっと知っておくと便利な情報などもお伝えいたします。

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2018年10月16日火曜日

ご相談事例一覧(海外口座解約)

ご相談事例のご紹介です。以下のケースは全て当方で対応した事例に基づきます。



海外口座解約ご相談事例のご紹介

※ご依頼者個人が特定できないよう編集したうえで、ご紹介しています。

Case 1 契約時のエージェントと音信不通


海外の金融商品を契約していたが、エージェントも外国人のためか、意思疎通がうまくいかず、解約したいと思いながら時間が経ってしまった。自身でも書類を送付してみたが、うまく受理されなかったようで、手続が全く進展しないまま数年が過ぎてしまった。


Case 2 自分自身で対応してみたが上手くいかない


外国の金融機関に口座を保有していたが、解約し日本へ送金したい。自分自身で作成した書類で試してみたが、解約まで至らない。


Case 3 日々忙しいため、気になりながらも放置している


外国に駐在していたときに、銀行口座を開設したが、全ての口座を解約し日本へ送金したい。自分自身で解約手続をしようと思っていたが、忙しく時間がとれないため、長いこと放置してしまった。

※取扱いが多いケースのひとつです。過去に駐在または留学(研究者の方など)で、アメリカ等に滞在し口座開設後、そのままの状態で日本へ帰国し、その後銀行登録住所や、場合によっては、ご結婚等により姓も変わっているケースがございます。そのような場合には、解約に先立ち、本人確認・住所変更等が必要になってきます。
また、長期間銀行取引をしていなかった(放置していた)ために、口座が凍結(inactive)となる、またはUnclaimed Propertyとして州に移管される旨の通知やメールが来たために、ご相談いただくケースもございます。ただし、ご本人様がご生存のケースでは、ご本人確認が必須となりますので、当方が解約手続すべてを代行することはできないことを事前にご了承ください。ご相談時に、ご事情をおうかがいし、当方が出来る範囲のサポートをご提示させていただきます。

Case 4 Unclaimed Propertyとして移管されてしまった


アメリカに滞在していたときに、銀行に口座を開設したが、日本に帰国後利用することもなく放置していた。銀行から、Unclaimed Propertyとして移管される旨の連絡がきたが、面倒でそのままにしてしまっていた。

→州によっては、時間はかかりますが、必要書類を揃えて対応すれば返還されますので、諦めずにご相談ください。
ご自身のご資産については、各州のUnclaimed property officeのウェブサイトに「Unclaimed property search」という検索機能がありますので、検索することも可能です。

併せてこちらの記事もお読みください。↓↓↓
Unclaimed Property アメリカの未請求資産と口座凍結


===
上記は、当方で取り扱ってきたケースのごく一部です。
お困りの際は、どうぞお問い合わせください。

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2018年9月20日木曜日

香港ご資産のご相続について

香港にご相続財産を残してお亡くなりになった場合、ご資産については、現地の裁判所で検認手続を経てから金融機関での解約手続となります。



香港のご資産のご相続の案件について、2年以上取り組んできたケースがありますが、やっと解約できそうで、とても嬉しいです。…ご相続の件で「嬉しい」という表現は適切ではないかもしれませんが…。

香港の国際相続

遺言が残されていなかった場合、不動産には香港の法律が適用され、動産には、お亡くなりになった方の住居地管轄の法律が適用されるようです。

検認登録裁判所(Probate Registry)からは、一般的に、法律の資格を有する専門家による、法律に関する証明書(Affidavit)を求められます。

香港の裁判所での検認手続は時間がかかることが通常であり、1年位かかるのは普通、複雑なケース(香港以外でお亡くなりになった方の場合等)については、1年以上かかることが多いとのことです。

香港の裁判所での検認手続

現地裁判所の検認の手続が必要となる場合、書類の確認・提出から現地裁判所からのレスポンスを得るまでに数ヶ月かかることもあります(国にもよると思いますが)。書類の提出が1度で済めばよいのですが、殆どのケースでは、何回か提出する必要があります。海外の裁判所も、国をまたがる相続に関しては、不慣れなことも多いようです。

そのため、相続書類に関する日本国内での認証の手間も費用もかさみますし、何よりも、「ただ待っている」という時間が多くなり、私もお客様も待ちくたびれてしまいます。

また、事務所や担当者によるかもしれませんが、香港からのレターでは、英語の文章の書き方も独特なものがあります(私が感じただけですが)。

海外の検認書類については、おおよそ、どこの国も揃える書類は似通っているように思います。しかし、提出書類に署名する専門家に実務歴等の要件があったりしますので、どの案件についても、どんな専門家でもできる、という訳ではなさそうです。

香港に投資用口座をお持ちの場合は対策を

一時期、個人様の投資の一環で、直接香港へ赴き、滞在して口座開設し…という話を多く聞いたことがあります。今もあるのかもしれませんが。

相続対策をなされていないご資産が香港にある場合は、相続手続には、日本での相続と比較して(争いが無い普通の相続の場合と比較して)、残されたご相続人の方が、かなり苦労することになるのではないかと思います。

その場合、遺言を残しておくと、お亡くなりになった後の手続の負担が軽減されるかもしれません。海外にお口座を開設する際には、相続の対策まで考えておいたほうがよいと、感じています。

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2018年6月8日金曜日

海外口座解約:海外口座を残したまま帰国される方へ(残高が少ない場合)

お客様の中には、海外に銀行口座はあるものの、残高はそれほど多くはない…
でも、このまま放っておくのも気になってしまう、どうも気がかりで…
何かの拍子に思い出して、どうしたものか、と思うけれど、またそのうちと思っているうちに忘れてしまって、また何かの拍子に思い出して気になってしまう。
…などというご相談があります。


自分自身で解約することも考える

実際、専門家・エージェントに依頼するとすれば、それなりの報酬が発生しますし、
残高より報酬が上回るケースもでてきます。
例えば、解約指示書に公証(Notarization)を求められた場合は、公証手続きの実費だけで約1万円/1通はかかります。それに加えて海外への送料、国際電話が必要となったり…
なかなかの手間暇と、それなりにお金がかかります。
それでも、とにかく解約したい、という方もいらっしゃいますが。

そういった場合には、銀行等にご自身の署名つきのレターを出して、解約したいことをお伝えすればよいかと思います。当方でもレター作成のみの代行もしておりますが、残高が少ないケースでは、なるべく経済的利益を多くご自身に残すために、ご自身で対応できるところまで対応することをお勧めする場合もあります。

口座残高はゼロであるが、それを確認したい、という方もいらっしゃいます。
この場合、相手が親切な機関であれば、何か返信をくださることもありますが、スルーされる可能性もかなり高いでしょう。

海外の口座をお持ちの方がやるべきこと

海外の金融機関に口座を残したまま帰国される方は多いかと思います。
例えば、100万前後の残高の方については、結構残っているように思えるかもしれませんが、プロに依頼しても、ご自身で現地まで解約に行くとしても、それなりの費用がかかり、プラスマイナスゼロまではいきませんが、プラスが僅かになる可能性も高いといえます。ご自身で、「観光ついでに」など別の目的も併せて海外の支店へ出向く、ということでしたら、よいのかもしれませんが。ご自身で行った際に、手持ちの書類のみで、1回で解約できるかどうかは分かりません。

そこで、海外に銀行等のお口座をお持ちの方は、以下の点を実行していただければと思います。

1.今後、全く利用する予定がないのであれば、現地で解約までしてしまう
2.後日利用するのであれば、インターネットバンキングのパスワード、当初設定したセキュリティパスワードはしっかり記録(記憶)しておくようにする
3.帰国後も、インターネットバンキング等で、口座には定期的にアクセスするようにする
4.住所変更・氏名変更があれば変更の手続きをする

上記のようなことを行っておけば、あとで困るリスクを減らすことができるはずです。

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2018年5月23日水曜日

海外に残した貸金庫の相続

海外の金融機関に貸金庫を持っていた方が、解約しないままにお亡くなりになり、ご相続の際に貸金庫の解約も必要となるケースがあります。



海外の現地で対応してくれる方(執行者として弁護士が選任されているなど)がいる場合には、それほど問題はないように思えます。
ただ、貸金庫の中に何が入っていたかによっては、難しい場合もあるかもしれませんが…
それでも、現地で法的な側面の手続きに対応してくれる方が既にいるということは、心強いですし、見通しが立ちやすいかと思います。

現地に全く対応してくださる方がいない場合はどうでしょう。そして、ご自身(相続人)も、海外には行けない(行きたくない)という場合です。まずは現地で対応してくださる方を探すところから必要になりそうです。
私の事務所でも過去にそのような件がありました。
また、生前に、海外の貸金庫を解約したいという方の宣誓供述書などもお作りした事例も何件かありました。

もし、海外の金融機関に貸金庫をお持ちであれば、少なくとも、ご生前に何らかの対処はしておいたほうがよいかと思われます。

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2018年5月17日木曜日

メダリオン署名保証 (Medallion Signature Guarantee)とは?

メダリオン署名保証 (Medallion Signature Guarantee)とは?


メダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)を取得できますか?というお問い合わせをけっこう頻繁にいただきます。
結論として、日本にある当事務所で取得のサポートをすることは可能です。実際に、日本にいながらにしてメダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)を取得し、口座の解約・証券の売却や、姓の変更を行ったケースがございます。

メダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)を要求する具体的な金融機関としては、Computershare, AST (American Stock Transfer & Trust Company, LLC.), Fidelity Investmentsなどがあります。 




メダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)とは?


ところで、メダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)とは、いったいどのようなものでしょうか?
※Medallion Signature Guaranteeは、MSGという略称で、記載されることもあります。

以下は、英語版のWikipediaを翻訳・要約し、一部加筆したものです。ご参照ください。
(詳細は原文をあたってください↓
https://en.wikipedia.org/wiki/Medallion_signature_guarantee

~~~~
メダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)とは、米国内で有価証券譲渡の際に行われる特別な署名保証です。メダリオンプログラム(Medallion Program)に加盟している金融機関で取得することが可能です。

 署名保証は、証券の不正な取引や、それに伴う投資家の損失を未然に防ぐことによって、株主を保護します。
証券の名義書換を行う会社(Computershare等)の書類においては、「メダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)」が必要と書いてありますが、具体的にどうすればよいかまでは書いていないことがほとんどです。

 メダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)は、アメリカの公証人による公証と同じではありません。
在日アメリカ大使館の領事公証とも異なります。
 署名保証を取得するために、どのような身分証明書を必要とするか、またサービス料金を請求するかどうかのポリシーは各機関によってさまざまです。
 ほとんどの保証機関(銀行や信用金庫等)は、取引履歴のある既存の顧客以外の署名保証は行っていません。
 
~~~~

メダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)で証明されるのは、以下の2点です。
・あなたが請求することができる人であること(You are who you claim to be)
・資産の移転についての権利者であること (You have the rights to transfer the assets)

どのようなときにメダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)が要求されるのか?


以下のような場合に、メダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)が要求されるようです。

・米国の証券会社に保有している株式等の金融投資商品の売却、外国送金
・ご相続による証券の名義変更、売却
・姓の変更

Computershareのような、Transfer Agent(名義書換代理企業)は、不正行為を防ぐために、株主にメダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)を要求します。

これまで当事務所では、お客様が、アメリカの様々な証券会社に保有するご資産の取引のため、メダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)を取得してきました。

かつては、日本での取得が困難であることを相談した場合、取得を免除されるケースもありました。

ただし、数年前に比べて、本人確認が厳格化してきていますので、最近は、免除されないケースが多いように感じています。特に、ご資産の額が大きい場合は、免除してもらうのは難しいケースが多いのではないかと思います。

日本の金融機関でメダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)は取得できるか?


当事務所で調査した限り(2017年時点)、メダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)を提供している日本国内の金融機関はありませんでした。

日本の金融機関で取得できないものかとお調べいただいた方はご存知かもしれませんが、米国の銀行の日本支店などでも、対応していません。

(基本的に、米国の銀行の日本支店は、「日本の支店」という形態をとってはいますが、法的には別々の法人なので、米国の資産のことについては、「直接現地の金融機関へお問い合わせください」、というスタンスを取られるのが一般的なようです。電話もつながらないこともあります。もちろん例外もあります。)

というわけで、日本国内の金融機関でメダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)を取得するのは不可能といってよいでしょう。

メダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)を要求されたら、まずやるべきこと


上記にも記載したとおり、かつては、日本でメダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)の取得が困難であることを相談した場合、取得を免除されるケースもありました。

現在でも、金融機関によっては、メダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)ではなく、アメリカ大使館の領事認証や他の方法で代替することができる場合がありますので、メダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)が必要と言われたら、まずは、金融機関へ相談してみましょう。

金融機関の内部ルールによって、ある一定の資産額までは免除してくださる場合もあるようです。

日本人がメダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)を取得するにはどうすればよいか?


金融機関に相談したが、それでも、なお、メダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)が必要、と言われた場合です。

日本在住の人がメダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)を取得する方法のひとつとして、渡米し取得するということが考えられます。
ただし、その方が、アメリカの金融機関に口座を持っており、一定期間取引があることが条件となっていることが多いようです。
取引の期間や程度については、各金融機関ごとに異なるので、確認してみる必要があります。

その他、Computershre等の金融機関からのインストラクションには、メダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)の提供機関として外国の企業が何社か紹介されていることもありますので、その企業に連絡を取って取得することも考えられます。

そういった企業経由で、ご自身で取得の手続を進めることも、ある程度までは可能でしょう。
しかし、申請には、書類への公証手続や、書類に対しての認証が必要となるので、どうしても専門家の関与が必要となります。

余談になりますが、メダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)が付与され戻ってきた書類のホチキス止めの端が破かれ、紙はヨレヨレで、かなり無残な状態となっていました。海外の書類「あるある」でしょうか。お客様はどう思われるだろうか?と思いました・・・😅

メダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)の取得にはどのくらいお金がかかるのか?


メダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)の取得にかかるトータルの料金は、その資産の額や、目的(生存の方の金融資産売却なのか、ご相続か)、何件取得するかによっても異なってきます。

当事務所では、最新のStatement(残高明細:ステートメント)を拝見させていただけましたら、お見積をお出しすることが可能です。

「自分が渡米して取得することを考えたらリーズナブルである」と仰っていたお客様もいらっしゃいますので、価格帯としてひとつの目安にしていただければと思います。
(ただし、上記で説明させていただいたとおり、資産の額、件数、目的等によって値段は変わってまいりますので、正確には、お見積りをご依頼ください。)

渡米して取得するケースでも、海外の金融機関の担当者によっては、都度言うことが変わったり、何度も窓口へ足を運ぶことを要求される可能性がありますので、一度の滞在期間に終わらなかったというお客様もいらっしゃいました。


メダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)の取得に関して相談したい


もし、メダリオン署名保証(Medallion Signature Guarantee)に関してお困りの際は、まずは、ご相談で詳細をお聞かせください。

その他、海外の弁護士事務所・会計事務所との通信代行、書類翻訳、進め方についての各種コンサルティングが可能です。

当事務所は、大切なご資産を、お客様ご自身の人生や、ご家族・ご友人、そして、社会のために活用していただけるよう全力でサポートいたします。

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2017年12月9日土曜日

米国のプロベイト(Probate: 検認)とは?

米国のプロベイト(Probate: 検認)とは?


2018年も師走に入り、気持ち的にも仕事的にも慌ただしい時期に突入しました。
ご依頼いただいた件でも、海外から返信が来ない件が何件かあり、やきもきしています。海外は日本より早く、ホリデーシーズンに入りますし、年末年始は、海外への配送も上手くいかないことがあります(過去にありました)。この時期に、大切な書類の発送は避けたいところです。

さて、アメリカの遺産相続では、プロベイト(Probate)という手続を求められることがあります。プロベイト(Probate)とは、いったい何でしょう?

プロベイト(Probate:検認)とは?


プロベイト(Probate)とは、英米における裁判所が関与する一連の相続手続の総称です。

日本で「検認」といえば、自筆証書遺言が遺されていたときに、裁判所で行う手続、というイメージをお持ちではないでしょうか。

しかし、アメリカの場合は、事前にトラストなどで準備をしていた場合を除き、遺言の有無に関わらず相続手続として必要となるのが、プロベイト(Probate)です。裁判所の監督のもとに行われる、遺産の清算手続です。

(※2020年7月追記:日本では、2020年7月より開始された自筆証書遺言書保管制度を利用すると、日本の裁判所での検認は不要になりました。)

なお、日本の「検認」は、遺言書の証拠保全に関する手続です。プロベイト(Probate)は、日本の相続手続の際の検認とは、全く性質が異なるものです。

プロベイト(Probate)の手続では、管轄の州裁判所の監督のもとに、故人の資産、税金や債務の支払、そして残されたものを相続人へ配分する手続を行います。
最終的に相続人等が相続するのは、債務や支払をすべて清算した後に残った財産だけとなります。

家族間の争いや債権者との争いが無く、米国国内だけで手続が完結すれば、多少時間はかかるでしょうけれど、それほど複雑な手続ではありません。

ただし、不動産等の売却が必要となるケース等で時間がかかることは大いにあり得るでしょう。遺産の額によっては、small estate という簡易な手続が適用できる場合があります。

このプロベイト(Probate)によって、亡くなった方の遺産が、遺産財団(Estate)となります、裁判所から任命された代表者が、遺言執行者(Executor)または遺産管理人(Administrator)としてEstateの清算手続きを実行していきます。

場合によっては、数年がかりとなり、かなり長い時間を要することもあります。

アメリカで亡くなる方の多くは遺言を遺していることが多いですが、もし遺言が無かった場合に指名される遺産管理人の種類には、Independent administratorとDependent administratorの2種類があります。
Dependent administrator(和訳は、非独立管理人、という感じでしょうか)となった場合は、すべてのプロセスを裁判所の管理下で行うため、非常に手間と時間がかかることになります。


アメリカの金融機関はプロベイト(Probate)書類を要求する


アメリカの金融機関は、日本でも当然にプロベイト(Probate)があるという前提で書類を求めてきます。
このように、アメリカの遺産相続において、プロベイト(Probate)を求められた場合には、日本で手続を完結することは不可能と思った方がよいでしょう。
「思ったほうがよい」という歯切れの悪い言い方をしている理由は、金融機関によっては、日本法に関する書類を整えて説得すれば、プロベイト(Probate)を免除してくださるところもあったからです。それでも、金融機関によっては、やはりプロベイト(Probate)を求めてきて膠着状態になることがあります。特に財産の額が大きくなればなるほど、厳格にプロベイト(Probate)を要求してくる印象です。アメリカのみならず、他の英米法の国でも同様の印象です。

アメリカ現地裁判所の手続きが必要となる場合には、現地の弁護士の力を借りる必要があります。アメリカの弁護士といっても、資格が無い州は対応できません。アメリカに在住の弁護士であれば、どの案件でも対応できるか、というと、そういうわけでもありません。

日本の相続とアメリカの相続の違い


日本では、民法上、遺産は、亡くなった人(被相続人)の死亡と同時に、相続人に承継されることになっています。
一方、英米法上では、遺産は、一旦、遺産管理人または遺言執行人に帰属させ、裁判所の関与の下、それらの管理人や執行人によって管理・清算されます。
そして、プラスの財産が残るときのみ、相続人へ遺産が分与されますが、手続の結果、プラスの財産が残らない時には、相続が行われません。

日本では、遺産分割の協議を行って、協議がまとまれば、通常は裁判所の関与は無いですし、そもそも、「遺産管理人」は、日本では相続人がいない場合にしか選任されません。
一方、アメリカの相続では、当然のごとく、裁判所発行の「管理人」或いは「執行者」たることを証明する書類が要求されるのですが、日本では、該当の書類が無い、という事態が発生します。

プロベイト(Probate)を回避するには


生前に、トラストなどを設定しておくと、プロベイト(Probate)を回避できる場合があります。トラストの設定により、プロベイト(Probate)を必要とせずに、遺言の代わりに死後の財産の承継ができます。

プロベイト(Probate)が求められた海外の遺産相続について相談したい


もし、海外でお亡くなりになった方の遺産相続について、プロベイト(Probate)を要求された場合には、是非ご相談ください。

海外のキーパーソン・弁護士事務所との通信代行、書類翻訳、進め方についての各種コンサルティングが可能です。個人の方、法律事務所・会計事務所等の方々から幅広くご依頼を承っております。お気軽にご相談ください。

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2017年9月7日木曜日

気になる海外遺産相続にかかる費用の話

気になる海外遺産相続にかかる費用の話


海外資産の相続に、どのくらいお金がかかるのか・・・・

ということは、手続きをする相続人にとって、非常に気になることだと思います。
一番の気がかりと言っても過言ではないでしょう。

私たちのところへ相談にいらっしゃる方も、気になるのは、ズバリ!
「どのくらいお金がかかるのか」
という点です。

お金がかかってもいいから、とにかく何とかしたい、という方もいらっしゃいます。
やはり、まずはお亡くなりになった方のことが第一で、その次に、遺産というお金がついてきたのだから、お金にこだわったり、それで争いになるのは本意ではないという方もいらっしゃいます。

しかし、それでも、できれば費用は抑えたいと思うのが人情です。
少しでも多く手元に残したいと思うことは、あたりまえで、普通のことだと思います。



遺産によってかかる費用は異なる


今では、予約なしでのお電話でのご相談はお受けしておりませんが、その昔、突然のお電話でもご相談に対応していた時代には、とにかく「どのくらいかかりますか?」、という質問を受けることが多かったように思います。
(※余談ですが、経験上、電話でのお話しだけでは、的確な回答をすることが難しかったですし、その場でご事情をおうかがいすると、かなり長くなってしまう、というような経緯から、現在では、初回のご相談については、基本的にはご予約をいただいたうえでお受けするようにしております。ご不便をおかけしますが、どうぞご了承ください。)

どのくらいお金がかかるか、というのは難しい質問です。

ご相続財産の価格や種類(動産なのか、不動産なのか)、遺産がどこの国(どのような法律の国)に所在するのか、お亡くなりになった人の国籍、遺言があるかどうか、銀行や証券口座でも口座の種類や、口座に設定している条件等々により、その手続にかかる時間や費用は、異なってきます。

国内の相続よりも費用がかかる


しかし、1つだけ言えるとすれば、
少なくとも、国内財産の相続・解約より、お金(時間&労力)がかかるケースが多い、ということでしょう。

例えば数百万前後の遺産が海外にあると仮定します……
この場合、その遺産が存在する国にもよりますが、手続には、その遺産と同じくらいの費用がかかるかもしれません。(それ以下のケースも、あります。)
内訳としては、依頼した専門家に対する報酬の他、翻訳費用や、書類の公証・認証費用、通信費、そして、海外の弁護士/会計士などにお願いした場合には、その報酬も必要です。書類の送料も、国内に比べて高くなります。

とはいえ、ご自身で現地まで行って手続をするといっても、その航空運賃や宿泊費などの旅費を考えたら、1回何十万もするのではないでしょうか。また、その1回で済むとは限らず、何度も渡航することとなったら、費用も、労力も、想像を超えるものがあります。それであれば、最初から専門事務所へ依頼したほうがよいとも言えるでしょう。

海外の遺産相続は特別なことではない


海外に資産を持っているというと、特別なことのように感じるかもしれませんし、自分には関係ないと思っている方が多いかもしれません。
しかし、海外駐在などで働いたことがあったり、外資系の企業にお勤めだったり、投資用の口座をお持ちの方でしたら、実は、該当する方も多くいらっしゃるのです。

特に、配偶者の方や、お子様など、相続をする側の人は「関係ない」と思っていても、お亡くなりになった方が、「海外の資産を持っていた!どうしよう」というケースは、昨今はよくあることです。
もし、利用しないような口座をお持ちでしたら、何かある前に、生前に解約しておくほうがよいでしょう。相続になったら、手続きが、想像以上に大変なのです。

当方で取り扱う場合は、ご相談の際に詳細なヒアリングを行い、案件の難易度(書類作成分量等)を見極めつつお見積もりをお出しします。ただし、よく大手の事務所でみられるような、ご資産の額の何%、というような計算の仕方はしておりません。

まずは、ご相談いただければお見積もりいたしますので、どうぞお問い合わせください。

海外遺産の相続に関して相談したい


海外遺産を残してお亡くなりになった方のご相続に関するご相談については、専門の当事務所へ是非ご相談ください。各種証明書類の翻訳(英訳、和訳)についても承ります。

その他、海外の弁護士事務所・会計事務所との通信代行、書類翻訳、進め方についての各種コンサルティングが可能です。

心に不安やすっきりしない気持ちを抱えている方の一歩踏み出すお手伝いができれば幸いです。
そして、固まってしまっているお金を、動かせるお金にして、ご自身の人生や、大切なご家族・ご友人、そして、社会のために有効活用していただけるよう全力でサポートいたします。

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2017年8月22日火曜日

海外から送られてきた小切手を換金する

海外から送られてきた小切手を換金する


外国の金融機関口座を閉鎖した場合等、口座解約時点での残高は、銀行間送金(wire transfer)又は小切手(チェック:check)で日本へ送金されることになります。海外の金融機関によっては、そのどちらかしか取り扱わないということもあるようです。特に、Unclaimed Property(未請求資産)として返還される資金は、基本的に外国小切手で日本へ返還されます。

海外から普通郵便で、さりげなくチェックが送られてくることもあるので、かなり驚くことがあります…!
お客様によっては、海外送金(wire transfer)での送金を強く希望される方もいらっしゃいます。ただ、海外送金については、マネーロンダリング対策など犯罪防止の観点から本人確認が厳しくなっており、どうしても小切手でしか払い出しいただけない場合もあります。

--
さて、この記事を初めに書いたの2017年でした(今、この記事に追記しているのは、2025年です。)
早8年過ぎ、小切手をめぐる状況は、かなり変わってきています。
現在、日本国内で取り扱いできる銀行は、私の知る限り1行のみ(2017年以前はメガバンクはどこも取り扱っていた記憶です。)
そして、その唯一、外国小切手の取り扱いがある銀行の支店の窓口で聞いたのですが、外国小切手については、将来的に取り扱いを少なくする予定とか。
さらに、当事務所へご相談いただいたお客様から聞いたのですが、その銀行でも、既に£(ポンド)の小切手の取り扱いは終了しているようです。小切手をもらっても…という時代になってきましたね。かといって国をまたぐ銀行間送金も、なかなか難しいのです。




外国小切手の換金は難しくなっている


数人のお客様から、最近、海外から送付されてきた小切手の換金の手続きに時間がかかっているという連絡がありました。
昨今の海外情勢等々を鑑み、国際間の資金移動は難しさを増しているように思います。

小切手の換金に係る手数料は、金融機関によって異なりますが、額が少ない場合でも、おおよそ3,000円~5,000円かかります。そのため、株式の配当などで、少額の小切手を受け取った場合(1ドルなど…)は、銀行に支払う換金手数料のほうが多くなってしまいますから、配当を受け取ったものの、換金できないという事態に陥ることもあります。

小切手については有効期限もありますので、為替レートの動きは気になるところですが、受領したら、早めに換金手続をしましょう。

外国小切手の名義人名が自分ではない場合はどうしたらよいか



外国小切手の名義人が自分ではない場合としては、以下のようなケースが考えられます。

1.発行側のミスでスペルが間違っている
2.旧姓で発行されている
3.亡くなった配偶者が保有している証券等の配当が小切手で送られてきた

1.2.の場合は、海外の金融機関に連絡をして、正しい名前に変更した小切手を発行してもらう必要があるでしょう。

旧姓で発行されている場合は、小切手の名前を新姓に修正してもらう前に、姓の変更手続(Name Change)をする必要があるかと思います。その際には、姓の変更を証明する証明書や、本人確認としてパスポート証明を提出する必要があるかもしれません。

3.のケースは、ご相続の手続が完了していないのであれば、ご相続手続をする必要があります。(ただし、場合によっては、日本の銀行等で、事情を理解したうえで、換金してくださることもあったようです。しかし、稀なケースと思います。)


小切手発行の日本と外国の違い



小切手は、通常、当座預金口座を持っていれば発行できます。しかし、日本で当座預金口座を個人でお持ちの方は、そう多くないと思いますので、個人が小切手を発行するということ自体、あまり馴染みのない行為のように思います。

一方、アメリカやシンガポール等、外国では普通預金(ordinary savings account)の口座開設と同時にchecking accountを開設することもあるので、個人でも小切手を発行することがあります。

個人が発行した場合は、個人の債務返済能力によるため、不渡りになることがあったりと、現金化できないリスクがあります。
そのため、日本で外国小切手を換金する際に、日本の銀行では、不渡りのリスクについて窓口で説明するため、換金する方を不安にさせることがあるようです。

※2018年10月追記:銀行によっては、小切手の換金を受け付けていない(受付を取り止めている)場合もあるようです。もし小切手を受領される予定がある場合には、事前に銀行へ相談・確認されることをお勧めします。

(最終更新日:2025年9月)

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米国株 Statementの見方 ― DRIP(配当金再投資プラン)とは

米国のTransfer Agent(株式事務代行機関。Computershareなど)のStatementを確認していると、「DRIP」という記号が記載されていることがあります。 直近のケースでもDRIPによる株式の取得が見られたため、改めてその意義を確認してみました。 DRIP...