2017年6月7日水曜日

Unclaimed Property アメリカの未請求資産と口座凍結

Unclaimed Property アメリカの未請求資産と口座凍結


もう少しで送金できそうな件が、図らずも頓挫しており、ちょっと悲しい朝を迎えましたが、一方で、Unclaimed Propertyの解除申請のため英文の書類作成をご依頼いただいていたお客様から、嬉しいメールも届きました。
無事に申請が完了して、チェック(小切手)が送付されてきたとのこと。このようなメールを見ると、心から良かったなあ~と思いますし、ほっとします。嬉しい瞬間です。


Unclaimed Property(未請求資産)とは


アメリカでは、銀行等の金融機関の口座に何の動きも無い場合、ある一定期間経過すると、口座が凍結され、さらに期間経過後に、州に資産が移管され、Unclaimed Property(未請求資産)として取り扱われるようになるようです。

通常は、Unclaimed Propertyとして州政府へ移管される前に、凍結状態(inactive)となったこと、そしてUnclaimed Propertyとして移管されることについて、金融機関から通知が届きます。

例えばこんな感じです。(州にUnclaimed Propertyとして移管されることを、Escheatといいます。)

"Your account has become dormant because you have not initiated activity on the account such as making a deposit or withdrawing funds at a banking location for an extended period of time. 
Please contact us immediately.
If we do not hear from you, your account funds may be transferred to the appropriate state if no activity occurs in the account within the time period as specified by state law.
This transfer is known as "escheat". If this transfer happens, you must file a claim with the state to recover your account funds."

このような通知が届いた時点で金融機関からの指示通りに対応しておけば、inactive状態をactiveな状態に戻すことができます。そして、またその後の数年間は、Unclaimed Propertyとされるリスクを回避することができるでしょう。(ただ、その後、また口座を放置しておいた場合、数年後に同じことが発生します・・・。)

金融機関からの指示に従って、口座をactiveにする手続をしたが、何故かそれが上手くいかず、Unclaimed Propertyとして、州政府へ移管されてしまうこともあるようです。

Unclaimed Propertyとなったご資産をご自身の手元に取り戻したいと思った場合には、どうすべきか。
それは、州ごとに決められた所定の手続に従い、必要書類を揃えて、解除の申請をすることです。


Step 1. 自分の資産がUnclaimed Propertyかどうかを確認する


ご自身のご資産がUnclaimed Propertyとなっているかどうか、を調べるには、各州のUnclaimed Propertyのサイトで検索ができます。
アメリカ各州のUnclaimed Propertyの検索サイト一覧を、本ブログ記事下部に記載しましたのでご利用ください。

自分の資産がどの州のUnclaimed Propertyになっているのか分からない場合

どの州のUnclaimed Propertyになっているのかも分からない、というケースについては、ご相談いただければ、当事務所でお調べすることも可能です。
ただし、私が特別な裏技を持っていて、どの州のUnclaimed Propertyになっているかを一発で探しあてることができる…というわけではなく、可能性のある州をひとつひとつ調べていく地道な方式になります。ご自身で探す時間のある方は、ご自身で探していただくほうが費用的な面では節約になると思います。

口座等を開設した支店(その他、契約を結んだ場所)の州にご資産が移管されているかというと、必ずしも、そうとは言えない点が、この調査の難しい点でもあります。

また、もとの金融機関に問い合わせれば、どの州に移管されたか教えてくれる可能性もあります。

ただし、大概、海外の金融機関は不親切ですので(こんなことを書いてよいか分かりませんが…)、こちらが欲しい情報を的確に教えてくださらない可能性も高いことを覚悟しなければなりません。

※言葉の問題もあるので、日本に同名の金融機関(日本支店)があったら、そちらに問い合わせたくなります。しかし、アメリカの金融機関の日本支店は、別法人ということになることが多く、協力は全く期待できません。

Step. 2 Unclaimed Propertyの解除申請に必要な書類を揃える


どのような書類が必要かという具体的な指示は、州政府から提供されるClaim form中に記載があります。

州から求められている書類は、日本語の証明書については適切な翻訳文(英訳)をつけ、認証或いは公証(Notarization)も求められる場合が多くあります。それなりに時間と労力がかかるのが一般的です。

そのため、当事務所にご依頼いただくお客様には、書類作成の一切をお任せいただく場合が多い印象です。もちろん、宣言書や翻訳文などの部分的な書類作成をご依頼いただくこともありますし、部分的な手続に関しても、喜んでお引き受けしております。

とにかく、Unclaimed Propertyに関しては、必要とされる書類を揃えて、提出すれば、自分の手元に資産を取り戻すことが可能ですから、「凍結されてしまった…」と、あきらめずに、手続きをしましょう。

そして、一番大切なのは、前述のとおり、凍結される前には必ず金融機関から書面などで連絡がくるはずですので、その時点で、口座をinactiveにされてしまうのを阻止することです。

もし、今後将来的に利用しない口座なのであれば、すっかり解約してしまうほうが、将来の労力&費用的ロス、精神的ストレスを減らすことにもなるでしょう。

※↓ご興味のある方は、以下の記事も併せてご覧ください。
2020年9月15日付

Unclaimed Propertyになった資産の返金


無事に申請が完了し、Unclaimed Propertyの資産が返還される段になると、一般的には、資産を返還する旨、州から連絡がきます。最近(2020年時点)でも、資産は、小切手で返還されてきています。
小切手で返還されてくると、日本では海外小切手を取り扱う銀行が非常に限られているため、返還されたはいいが、換金ができない…という事態に陥ることも考えられます。
それを回避する方法として、株式の場合は、現金化せずに、元の金融機関(証券会社等)の口座に戻すということも考えられます。 
ただ、その場合、アメリカに金融資産が残ったままになりますので、またUnclaimed Propertyとされないように、適切な処置をして施しておく必要があるでしょう。


Unclaimed Propertyの事例


当事務所で過去に取り扱ったケースでは、名義人がお亡くなりになっていてご相続となる場合や、口座番号が分からない、どの州に移管されているのか分からない、、、などという困難な件もありました。

また、Unclaimed Propertyとなるくらいのご資産ですから、海外(アメリカ)に口座開設してから、年数が経っているはずです。

つまり、年数の経過に従い、ご自身の姓が変わっていたり、住所が変わっていたり、というケースが非常に多いのです。このような場合には、州所定の書類の他に追加で証明書類が必要となります。

その他、以下のようなご相談をお受けしてきました。

・過去にアメリカに駐在(留学)していた折に開設していた口座をそのままにしていたら、凍結されてしまった。

・姓を変更しているが、元の金融機関にも変更申請をしておらず、旧姓でUnclaimed Property  Officeへ移管されてしまっている。

・アメリカで2回ほど引っ越しをしており、Unclaimed Propertyとなっているのは、その1回目の住所のままである。

普段忙しく、自分自身ではなかなか時間がとれそうにもないが、でも余分な費用がかかるのももったいないし、自分で一度はトライしてみよう!
・・・ということで、着手してはみたものの、英語の読解や、申請書・翻訳文の作成等で面倒になり、放置し、ストレスを抱える結果になった、ということも、ご相談者様の声として聞かれます。

言い方が不適切でしたら申し訳ありませんが、しばらく放置しておくことに関しては、若い方なら、まだよいのですが、ご高齢の方の場合、今後、ご相続ということが視野に入ってきます。ご相続によるUnclaimed Propertyの解除申請は、名義人がご生存の場合の手続に比べて、はるかに難易度があがります。費用も時間も何倍もかかります。もしこの記事をお読みになってハッとされる方がいらっしゃいましたら、すぐにでも手続を始めるのが賢明かと思います。

■ ご相談・ご依頼のご案内 ■


Unclaimed Propertyの手続にお困りの方からのご相談をお受けしております。
・Unclaimed Propertyの返還請求サポート一式
・身分証明、住所証明等の翻訳証明、認証(公証)サポート
・その他Unclaimed Propertyに関するご相談

心に不安やすっきりしない気持ちを抱えたままの状況から一歩進みだすお手伝いができれば幸いです。当事務所は、「眠っているご資産を使える状態にするサポート」を使命としています。

特に、海外駐在されていた方、海外留学されていた方(医師、研究者等)が、そのまま口座を残して帰国したケースを多く取り扱ってまいりました。
些細なことでも、どうぞお気軽にお問い合わせください。

■ ご相談お申込み ■


- ご相談は、以下のフォームまたは電子メールでお申込みください。
https://www.sasayama-jimusho.com/contact
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(■の部分を@に変更してご送信ください)

具体的なサポート内容は↓↓↓
未請求資産請求サポートのページ
https://www.sasayama-jimusho.com/Unclaimedmoney

■(参考資料)Unclaimed Propertyについて

(Wikipediaより)
Wikipediaへのリンク (Lost, mislaid, and abandoned property)
以下記載内容を一部まとめたものです。
アメリカの Unclaimed Property(未請求資産)法では、各年において2期間ほど、金融資産についてUnclaimed Property Office(未請求資産(管理)事務所)へ報告される。その後、地方紙で公告され、州へ移管される。資産の名義人が請求するまで、州が保管する。オーストラリアにも同様の制度がある。


■(参考資料)各州の未請求資産(Unclaimed Property)検索サイト■


Alaska(AK)アラスカ州


Arkansas(AR) アーカンソー州
調査中

Arizona(AZ)アリゾナ州

California(CA)カリフォルニア州

Colorado(CO)コロラド州

Connecticut(CT)コネチカット州

Washington, D.C.(DC)ワシントンD.C.

Delaware(DE)デラウェア州

Florida(FL)フロリダ州

Georgia(GA)ジョージア州

Hawaii(HI) ハワイ州

Iowa(IA)アイオワ州

Idaho(ID)アイダホ州

Illinois(IL)イリノイ州

Indiana(IN)インディアナ州

Kansas(KS)カンザス州

Kentucky(KY) ケンタッキー州

Louisiana(LA) ルイジアナ州

Massachusetts(MA) マサチューセッツ州


Maine(ME)メイン州

Michigan(MI)ミシガン州

Minnesota(MN)ミネソタ州

Missouri(MO)ミズーリ州


Montana(MT)モンタナ州

North Carolina(NC)ノースカロライナ州

North Dakota(ND)ノースダコタ州

Nebraska(NE)ネブラスカ州
調査中
New Hampshire(NH)ニューハンプシャー州

New Jersey(NJ)ニュージャージー州

New Mexico(NM)ニューメキシコ州
調査中
Nevada(NV)ネバダ州

New York(NY)ニューヨーク州

Ohio(OH)オハイオ州
調査中
Oklahoma(OK)オクラホマ州

Oregon(OR)オレゴン州

Pennsylvania(PA)ペンシルベニア州

Rhode Island(RI)ロードアイランド州

South Carolina(SC)サウスカロライナ州

South Dakota(SD)サウスダコタ州

Tennessee(TN)テネシー州

Texas(TX)テキサス州

Utah(UT)ユタ州

Virginia(VA)バージニア州


Washington(WA)ワシントン州

Wisconsin(WI)ウィスコンシン州

West Virginia(WV)ウェストバージニア州

Wyoming(WY)ワイオミング州


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2017年6月1日木曜日

一筋縄ではいかない海外銀行口座解約

現在、もう少しで海外銀行の口座解約までたどりつけそうな案件があるのですが、この件は予想外に時間がかかったケースでした。

私たちは、金融機関こそ違いますが、同じような件を何件も対応してきていますので、それほど複雑ではない件では、ある程度、どうなるのかの見通しがたちます。もちろん、それぞれに皆様固有の事情があるので、全く同じ件、というのはあまりないのですが。
本件では、口座の設定自体が特殊なものだったため、なかなか解約できず、時間がかかっていました。しかし、やっと送金フォームを入手するところまできましたので、きっと間もなく、解約になるでしょう。

幸い、先方の担当者が親切で、レスポンスも速いので、それも有難いことです。海外の銀行によっては、レスポンスが……というところも多いですので、その点、この件では救われました。

英語が出来るお客様でも、書類の認証や、証明、日本の法律的なことなどが絡んでくると、先方からの要求を理解し、書類を揃えるのもなかなか難しくなりますので、お困りの件があれば、是非お力になれればと思っています。

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■ 執筆者紹介 ■

笹山千惠子(Chieko Sasayama)
- CS planning(FPオフィス) 代表
ファイナンシャル・プランニング技能士(AFP)
行政書士 (登録番号 第10091566)
個人情報保護士(2010年合格)
著作権相談員名簿(文化庁等に提出)登載
- 行政書士笹山千惠子のページ↓
http://www.sasayama-jimusho.com/

米国人の相続

米国人の相続 当事務所では、日本人(日本国籍)の方のみではなく、米国人(米国籍を持つの方)のご相続手続を行うことがあります。遺言がある場合もありますが、遺言が遺されていない場合もあります。 日本で死亡した米国人の場合 米国人の方が、日本や海外に金融資産や不動産などの財産を残して、...