海外の遺産相続の手続シリーズ:死亡証明書(Death Certificate)とは?
題名から話題は外れますが、2020年6月で、 行政書士の登録が10年となりました。比較的若い頃に登録しましたので、登録したての頃は、「こんな若造に大丈夫かな…?」と、お客様も不安になったりしていないか、そのようなことが心配だったりした時期もありました。実際に、「どのくらいご経験があるんですか?」というようなことを聞かれたこともありましたし、年齢を聞かれたこともありました。そういったお客様の気持ちは、すごくよくわかります。逆の立場だったら、やっぱりそう思っただろうな、と思います。
行政書士の登録を決めた日のことは、今でも脳裏にありありと思い出すことができます。ここまで長く続けられたのは、家族と、そして、一緒に働いてきた仲間のお陰です。本当にそう思います。ありきたりですが、初心を忘れずに、ますます精進していきたいと思っています。
死亡証明書は日本のどの証明書に該当するか
話は大きくずれましたが、海外の相続の際には、必ず「死亡証明書(Death Certificate)」を求められます。これは間違いなく100%必要になります。
しかし、日本人が日本国内で死亡した場合についていえば、日本国内では「死亡証明書」という証明書は発行されていませんので、「死亡証明書」というタイトルの書類を取得することはできません。
そこで、その代わりとして、死亡の旨が記載された「死亡届記載事項証明書」を利用することを検討します。(※ただし、死亡届記載事項証明書は、どのケースでも取得できるわけではないので、注意が必要です。)
その他、病院で取得できる「死亡診断書」で代用することもあります。病院で取得できる死亡診断書は、保管期限があるので、何年も前にお亡くなりになっているケースでは、病院での保管期限が過ぎていて、発行していただけないことがあります。
日本で相続があった場合に死亡を証明する書類といったら、戸籍(除籍)謄本となるのがスタンダードですが、戸籍制度の無い外国の相続では、そもそも戸籍謄本とは何ぞや?ということになり、戸籍謄本が死亡証明書として受け付けられない場合があります。
『戸籍謄本は公的機関が発行した書類だし、被相続人について「死亡」という記載が明瞭にあります。これがあなたの国の死亡証明書に該当するものですよ』と、丁寧に説明したとしても、頑なに「死亡証明書」を求められることがあります。
日本の公的機関が発行した書類なのに…これはどうしてなんだろう、と、ある機会に海外の弁護士さんと話すことがありましたが、おそらく、「海外では見慣れない書類だからなんじゃないか」という結論に至りました。
そういうものなのかもしれません。海外では、結構気楽な感じ(?)でやってるんじゃないかなと思ったりします。折に触れ、そのように感じることがあります。
見慣れない書類が外国から送られてきたので暫く放置していたけど、それでどうしました?というような。こちらがあまりに真剣なので、その温度差が、こちら側のストレスを生んでいるような気がしないでもありません。自分も真面目な日本人なんだなと感じることが、しばしばあります…。
海外に動けるご相続人様などがいらっしゃる場合は、日本大使館(領事館)で死亡証明書を取得するのがベストだと思います。
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