2022年10月7日金曜日

渉外相続についての記事(月刊日本行政2022年10月号No.599より)

最近届いた日本行政(日本行政書士会連合会が発行している機関紙)の中に、『渉外相続について』というスペシャルトピックがありました。私が知る限りですが、日本行政の話題で渉外(外国が関係する)相続についての話題は、今まで見たことがなかったので、今回は興味深く拝見しました。(※日本行政でのトピック筆者は元新宿公証役場公証人志田博文先生です。)

■何が「渉外相続」なのか

  • 外国人の相続
  • 日本人が外国に財産を有している場合の相続
  • 在日外国人が日本でする遺言

などが挙がっています。海外が関係する相続・遺言に関する問題というところでしょうか。

■「渉外相続」の難しさ

国際裁判管轄や準拠法の確定(法律問題)、関連する登記や税務の問題、様々な問題が生じます。確かに、日本の中のみで完結するご相続の件よりも、検討・調整事項が多く感じます。

■「渉外遺言」について

日本に滞在する外国人は、日本に住所を有するだけでなく、旅行等で一時的に日本に滞在している場合であっても日本法の規定する「方式」の遺言をすることができるそうです。遺言の方式以外の要件については、遺言者の本国法によることになることに注意が必要です。

■包括相続主義と清算主義

◎包括相続主義…被相続人の死亡により全ての相続財産が相続人に直接移転される。日本を含め大陸法系諸国で採用。

◎清算主義…被相続人の死亡により、原則として、相続財産は裁判所により選任される代表者にいったん帰属し、裁判所の関与のもと、人格代表者による管理・清算を経て、その後、なお残余の積極財産がある場合のみ、相続人への相続財産の分配・移転が認められる、というものです。(消極財産、つまり債務がある場合は、遺産の限度においてのみ債務を弁済する責任を負うということになるようです。)

この他にも、連結点・反致に関することなどの記述があり、拝読させていただきました。

以上、日本行政の記事のご紹介でした。

(笹山)

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