2021年10月7日木曜日

アメリカの社会保障番号(Social Security Number: SSN)とは

 アメリカの手続に関する書類を作るときに、よく入力を求められるのが、「SSN」です。SSNは、Social Security Number(ソーシャル・セキュリティ・ナンバー:社会保障番号)という9桁の個人を識別する番号です。

SSN、或いは、ITINを記入するように、と求められる場合もあります。ITINは、Individual Taxpayer Identification Number(個人用納税者番号)で、別物です。

アメリカでは戸籍や住民票がありませんので、個人の特定が難しいということもあり、SSNは、個人を識別するために生み出されたものだそうです。

Unclaimed Property(未請求資産)やアメリカの税務関係の手続でも、SSNの入力を求められます。SSNを付与されたことが無い、という場合には、未記入でも構わないことが多いですが、場合によっては、「SSNは無い」、という旨を記載した宣誓供述書(Affidavit)の提出を求められることもあります。

SSNは、日本のマイナンバーと同様、大切な個人情報です。米国でSSNを付与された方は、SSNカードも含め、日本に帰ってからも忘れずに、大切に保管しておく必要があります。

(笹山)

【参考情報】

※書籍

日米社会保障協定であなたももらえる!!アメリカの年金

2005年発行で少し古い書籍となりますが、基本的なところはさらえると思いました。読了。

2021年10月6日水曜日

仕事におけるコスト・パフォーマンスと最善を尽くすことについて

先日、弁護士の先生と打ち合せをしているときに、その事案におけるコスト&パフォーマンスについての言及がありましたので、自分の考えをまとめる意味でブログ記事にしてみました。

私も、お客様からご相談を受ける際には、ご依頼いただいた場合にかかるコストと、それから得られる成果(パフォーマンス)について説明をすることがあります。

例えば、国際相続の場合であれば、残されている遺産の額と、それを相続する場合にかかるコストを比較し、残されている遺産の額に比して、あまりにもコストがかかってしまう場合は、コストを抑えられる別の手段で何かよい方法がないか模索したり、或いは、放置という選択肢も視野に入れてお考えいただくようにしています。

このような検討をするのは、国際相続のみならず、他の件でも同様です。

一方で、コスト&パフォーマンスは、何をパフォーマンスをみるかは、個人の価値観に大きく依存する部分かと思いますので、それだけで進め方を決めるわけではありません。

コストがかかってもいいから、とにかくすっきりさせたい、とか、故人の気持ちを尊重して・・・など、という場合もあります。コスト&パフォーマンスは、その仕事をどう進めるか、という判断材料の一つなのでしょう。

私としては、コスト&パフォーマンスも重要な判断基準にしていると同時に、それに加えて、(当たり前かもしれませんが)その判断が、最善の選択であるかどうかを常に考えるようにしています。

最善の選択、について。話は少し飛んでしまいますが、私のLINEに配信されていた東洋経済オンラインの記事「なぜか「失敗しても動揺しない人」のスゴイ考え方-人生は「偶然のゲーム」論理的に考えれば想定内-」を読み、「なるほどな」と思うことがありました。↓

https://toyokeizai.net/articles/-/459445

この中に、

どんなに認めたくない結果でも、それはあくまでも想定内です。どのような結果が起きようとも、それが起こったときに次にどうするか、これを事前にいくつも考えておきましょう。あとは予定どおりに淡々と行動するだけです。

とありますが、そのとおりだなと思いました。事前に起きうる結果を全て想定し、それに対して何ができるかを考える。リスクがあるとしたら、そのリスクをどれだけとれるか、というところを考える、ことだけかと思います。そして、それこそが最善の選択につながると感じています。(どうでもいいですが、麻雀といえば、私の中では福本信行先生の『』『アカギ』で。大好きです・・・。※いずれもWikiにリンクしてあります)

同じようなことが、元米国大統領ドナルド・トランプの自伝に書いてあったのを思い出しました。

トランプ自伝―不動産王にビジネスを学ぶ (ちくま文庫) 文庫 –

悪い結果は、くまなく全て想定しておき、それに備えるのが重要、と書いてあった記憶があります。正直、意外だと思いました。でも、やはり、実はそこが、重要な点なのでしょう。

ビジョナリー・カンパニーZERO、にも最善の策は、様々な討議を尽くした後にでてくると書いてありました。何も反対意見が出てこない場合は、むしろ、それが最善の策なのか疑うべきと。

今日も、ご依頼いただいた皆様に、最善を尽くせるように、お仕事を進めていきたいと思います。よい一日を。

アメリカの相続と日本の相続の違い(2)法制度の違い

アメリカの相続と日本の相続の違い(2)法制度の違い 日本は、大陸法系の国です。世界には、大陸法(シビル・ロー)系の国と、英米法(コモン・ロー)系の国があり、日本は前者に属しています。 アメリカの相続では、法制度がそもそも異なることもあり、金融機関の担当者等との相互理解が難しいこと...