米国株式のTransfer agentとは
米国Unclaimed Property(未請求資産)の手続を進めていると、US Broker(米国証券会社)の名称や、DTC番号等の情報を教えてください、という追加連絡を受け取ることがあります。
このような追加連絡がくる理由として、以下2つが考えられます。
理由1) 日本への資産返還を小切手の払い出しではなく、その証券を保有していた元の金融機関に、証券を戻すこと希望した
理由2) 当初、州へ提出したClaim form(返還申請書)に、資産返還の方法を明記していなかった
州の担当者が、州へUnclaimed Propertyとして移管された米国株式等の証券を売却したいのか、それとも元の証券会社へ戻して、もう一度運用したいのかを確認してくれているということでしょう。
ComputershareはUS brokerに該当しない
Computershareという会社に保有していた株式が、Unclaimed Propertyとして米国の州へ移管されたというケースをたびたび取り扱っています。しかし、Computershareは、Transfer agent であり、US brokerではないため、Computershareに株式などの証券を元通りに戻してもらうということはできないようです。
Computershareに株式を保有しており、それが州に移管された場合については、アメリカの証券会社に自己名義の口座を保有していない限り、小切手で日本に返還されることになります。
現在、外国小切手を取り扱っている金融機関は限られていますので、本当ならば、小切手での受領は避けたいところです。ただし、選択肢が無い場合は、外国小切手で受領し、日本の金融機関で換金するということになります。
<※海外小切手については、こちらの記事もご参照ください>
Transfer agent(トランスファー・エージェント)とは?
Transfer agent(トランスファー・エージェント)といえば、Computershareを思い浮かべる人が多いようです。Transfer agentを日本語で言うとすれば、証券名義書換会社といったところでしょうか。一方、Brokerage form は、証券会社のことを指します。
Transfer agentには、主に3つの役割があるようです。
1.証券の所有権の変更を記録すること。
2.企業と株主等との間の仲介者として機能すること。例えば、証券名義人への利息や配当金の分配など。また、株主総会等の書類を送付すること。
3.破損・盗難・紛失した債券の管理。例えば、このような証券の名義変更を一時ストップさせることができます。
Lost security(紛失証券)
過去に、証券を紛失してしまった方のLost securityに関する手続を支援したことがあります。証券が紙で発行されていた場合には、名義変更時に証券原本の提出を求められます。証券の原本を提出することができないときには、Lost security(紛失証券)の手続をとる必要があります。
参考記事:Stock Transfer Agent vs Brokerage firm
https://www.brokerage-review.com/expert/self-directed-vs-managed/brokerage-firm-vs-transfer-agent.aspx
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