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2025年8月29日金曜日

W-8BENって何ですか? 日米租税条約の適用と米国非居住者であることの証明

米国の資産を相続する際や、海外に口座をお持ちの場合、必ずといってよいほど提出を求められる書類の一つが、W-8BEN。

正式名称は、

“Certificate of Foreign Status of Beneficial Owner for United States Tax Withholding and Reporting (Individuals)”(訳:米国源泉徴収および報告のための受益者の非居住者証明書(個人用))です。

IRS(米国内国歳入庁)が米国非居住者である個人に対して、3年に1度の間隔で定期的に証明を求める書類です。金融機関は、通知を自動的に作成して発送するようで、既にお亡くなりになった方の口座に対しても、提出の要請が来ることがあります。


W-8BENとW-8BEN-E

提出する書類の種類は、相続人が「個人」で受け取る場合には、W-8BEN 。金融機関によっては、W-8BEN-E (Estateの場合)を提出といわれることもあり、いつでもW-8BENでOKというわけでもありません。


どの所得に対して、どのように適用されるのか

米国資産の相続の場面では、被相続人が保有していた金融機関口座のご資産を相続人が受け取る際、税務処理を行うためにこの書類が必要となります。提出が遅れると手続きに時間がかかるだけでなく、不要な税金が源泉徴収されるリスクもあります。

私はこの記事を作るために、W-8BEN に関する解説記事をインターネット上で検索してみましたが、重要な点が省かれていることが多い印象を受けました。

特に、

どの所得に対して、どのように適用されるのか

という点の説明が少ないように感じました。以下をご紹介できればと思います。

・配当(Dividends)

通常、米国株式の配当には 30% の源泉徴収税がかかる。しかし、日本居住者が W-8BEN を提出し、日米租税条約の適用を受けると、10% に軽減。

・利子(Interest)

米国債や預金利子など、利子所得については、租税条約により 源泉徴収免除(0%) となるケースが多い。

・キャピタルゲイン(譲渡益)

米国株式などを売却した利益については、原則として米国では課税されない。つまり、米国では非課税で、日本でのみ課税される形になります。


ケースごとの注意点

ただし、いずれのケースでも、個別のケースで取り扱いが変わってくることがありますので、専門家に確認したほうが安心です。特に、キャピタルゲイン(譲渡益)については、どの主体が売却をしたのか…によって取り扱いが変わることもあります。


日本での課税と確定申告

なお、W-8BEN を提出することで、米国での源泉徴収税率は日米租税条約に基づいて軽減されますが、これはあくまで「米国での課税」の話であり、日本に居住している方は 日本の税法に基づいて申告・納税が必要となります。

是非、日本の税理士にご相談なさってみてください。


まとめ

・W-8BEN は 日米租税条約による軽減税率の適用 を受けるための重要な書類

・所得の種類ごとに適用が異なる

・日本に居住している場合は、米国での税率軽減に加えて 日本での確定申告が必要なケースも


(ご参考)

W-8BEN の用紙は、米国歳入庁(IRS)の公式サイトからダウンロードできます(英語)。

👉 Form W-8BEN (IRS公式ページ)(PDFファイル)

※最新の様式や記入方法は必ず公式ページでご確認ください。

※金融機関から所定の書式を提供される場合もあります。


(笹山)

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2022年9月27日火曜日

ご相談事例一覧(海外相続)

ご相談事例一覧(海外相続)


ご相談事例のご紹介です。以下のケースは全て当方で対応した事例に基づきます。
※個人が特定できないよう、内容を改変し、概要のみをご紹介しています。




■ Case1:海外に預金口座を残したまま日本で死亡


海外に在住歴のある親族が死亡した。

海外の金融機関に預金口座を残したままであった。金融機関へ死亡の旨までは伝え、その後、必要書類の一覧や解約請求書が届いた。しかし、内容が把握できない。

相続人は自分のみで、どうやって相続人であることを証明するのか分からない。また、英語による連絡に手こずり、手続を長期間放置していた。


【事務所コメント】
Case 1 の場合、現地裁判所でのプロベイト(検認)と呼ばれる手続が必要かどうかによって進め方が変わってきます。プロベイト(検認)が必要となる場合は、現地の専門家(弁護士)等と協力して遺産相続手続を進めます。


■ Case 2:親族が遺言を残して海外で死亡


米国に何十年も在住し、帰化していた親族が海外で死亡した。

現地の友人を介して、弁護士事務所から連絡が届いた。その後の一切の手続をどのように進めてよいか分からない。

また、資産が具体的にどのくらいあるのかも分からない。英語の手紙の翻訳だけは対応してくれる翻訳会社はあるが、手続自体の支援をしてくれるところは無く困ってしまった。



【事務所コメント】
Case2では、当事務所が日本の連絡先となり、海外の弁護士事務所とやり取りいたします。日本のご相続人様が、海外の弁護士事務所とやりとりすることなく、ご相続を進めることができます。


■ Case 3:相続人が海外にいる


相続人が海外に在住している。現地での公証を取得する必要があるが、遺産分割協議書の英訳を作成しなければならなくなった。

自分で作成してみたが、現地の公証役場では手続できないと言われ、困ってしまった。


【事務所コメント】
当事務所では、遺産分割協議書の英訳を作成し、適切な証明書を付与することも可能です。過去のケースでも当事務所の英訳が手続に利用され、外国の機関に問題なく受け付けていただいております。


■ Case 4:海外の共有名義口座の一方の名義人が死亡


夫婦共有名義の口座を海外で開設していたが、一方が死亡した。共有名義を自分の個人の単有名義へ書き換えをしたいが、自分ではできないのでどうしたらよいか困ってしまった。




■ Case 5:外資系の企業の社員であった配偶者(親)が死亡し,外国企業の株式の名義変更をしたい


外資系企業から付与されたストックオプションを行使し、株式として保有していた配偶者(親)が、日本の金融機関の口座に資金を移動する前に亡くなった。

株式の売却のためには、金融機関から、Medallion Signature Guarantee(Medallion署名保証)を取得するようにとの指示があったが、どのように取得すればよいか分からない。配当等を換金していなかったため、株式の一部が管理会社へ移転され、その返還請求も必要である。

また、配当等の小切手の名義が、相続人ではなく故人名義で発行されており、換金ができない。

さらに、手続を長期間放置していたため,株式の一部がアメリカ州政府の管理下に置かれ(Unclaimed Property)、その状態を解除する必要もある。


【事務所コメント】
Case5は、当事務所へのご相談が多いケースです。株式の名義変更から日本の証券会社等の金融機関への移管まで、一連の手続をサポートいたします。
また、Medallion Signature Guaranteeの手続や、Unclaimed Propertyの手続のみでも承っております。


■ Case 6:海外駐在等が多い職種の親族が死亡し,数か国に遺産が残ったままである。すべての国で遺産相続手続をし、解約送金したい


海外を頻繁に行き来するような職種の親族が死亡し、相続人となった。

アメリカを含め、数か国に資産が残されている。それぞれの国で、遺産相続の手続をしなければならず、困ってしまった。日本側で取りまとめを担当してくれる専門家が必要である。


【事務所コメント】
当事務所が日本の連絡先となり、複数の国の手続を取りまとめて、ご相続手続を進めます。

■ Case 7: Transfer Certificateを取得する必要があるといわれた


死亡した配偶者の資産に、海外の株式があることが判明した。資産がある一定の金額を超えるため、アメリカのIRS(内国歳入庁)に対してTransfer Certificateという証明書の申請をしなければならない。

国内の専門家のみでは対応できないので、アメリカの会計士にも必要な手続を依頼しなければならない。


【事務所コメント】
当事務所が日本の窓口となり、手続を進めることが可能です。

■ Case 8: 少額の海外資産であるが、とにかく解約させたい


死亡した配偶者の資産に、海外の株式があることが判明した。資産の額は少額であるものの、通知などが届いてしまうので、とにかく解約したい。弁護士事務所によっては額が少ないと取り扱っていただけない事務所があるので、依頼するところがなく困っていた。

【事務所コメント】
当事務所では、海外資産の額を問わずお引き受けすることが可能です。ただ、その際には、手元に残る額がマイナスになってしまうことがありますので、その点は事前にご留意ください。また、解約後の資金が外国小切手で払い出される場合は、少額の小切手について、金融機関での取り扱いが可能かどうか事前に確認が必要です。

■ 対応国・地域

日本の横浜を拠点とし、アメリカ、イギリス、インドネシア、カナダ、シンガポール、ニュージーランド等 の海外ネットワークがございます。

(※上記国・地域の件でも、お引き受けできない種類の案件もございますため、無料相談時にご確認ください)




<その他>
以下の記事もご参照ください

===
上記は、当方で取り扱ってきたケースの一部です。
お困りの際は、どうぞお問い合わせください。


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2021年7月29日木曜日

米国株式の相続

当事務所で、お問い合わせが多いのが、米国株の相続や解約、Medallion Signature Guarantee(メダリオン署名保証)と言われる証券移転に必要となる手続き、そして、未請求資産(Unclaimed Property)になってしまった米国株に関してのことです。米国株といえば、昨今FIREで盛り上がっていますね。保有しようと思っている方も、保有している方も増えているのではないでしょうか?

米国株であっても、米国株の取り扱いのある日本の証券会社の口座で保有している場合は、特段の問題はありません。日本の証券会社での手続となります。

しかし、問題となるのは、米国の金融機関の口座に米国株式があり、それを相続したり、解約(売却)したりする場合です。


なぜ米国の証券会社に米国株を保有することになるかというと、当事務所のお客様の多くが、外資系の企業にお勤めで、その企業の持株会に入っていた、ということだったり、優遇価格で購入できた、などという理由です。

純粋に「投資」というよりは、お勤めされていた会社の都合で保有に至った、ということが多いようです。そのため、その会社を退職してしまったりすると、頭の隅にはひっかかってはいるが、特段積極的にその株式をどうこうしようとはせずに、現在に至る、という方が多いようです。

米国の証券会社(例えば、モルガンスタンレー等)の口座に米国株式がある場合は、基本的に、米国方式での手続を要求されます。また、資産の額によっても、その手続が変わってきますので、一概に、「こうなります」ということができません。その他、金融機関の種類(銀行なのか証券会社なのか)によっても、要求される手続の厳しさが異なるような気がします。

先方も、「日本の相続手続は、米国の手続とは違うんだろうな…」ということは分かっていて、多少の譲歩はしてくださいますが、それでも、大概、米国での方式に沿って、手続する方向に落ち着きます。正直なところ、そのほうが早く、そしてスムーズに進みます。

日本のやり方をゴリ押しして、そのときの担当者は承諾してくれたが、途中で担当者が変わって違うことを言われたり、やり直しになってしまうと、かなり時間を要する手続ですので、やり直しのダメージも、非常に大きくなってしまいます。特に、相続人がご高齢の方など、相続人の状況が変わってしまう可能性もあるケースでは慎重に検討する必要があります。


■ 米国株式の相続に関して相談したい


米国株式の相続に関してお困りの際は、まずは、ご相談で詳細をお聞かせください。海外の弁護士事務所・会計事務所との通信代行、書類翻訳、進め方についての各種コンサルティングが可能です。

※個別の日本の相続税に関するご相談については、税理士をご紹介いたします。


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米国株 Statementの見方 ― DRIP(配当金再投資プラン)とは

米国のTransfer Agent(株式事務代行機関。Computershareなど)のStatementを確認していると、「DRIP」という記号が記載されていることがあります。 直近のケースでもDRIPによる株式の取得が見られたため、改めてその意義を確認してみました。 DRIP...