2021年11月13日土曜日

国際相続リスクを忘れないで!

日本にいながらにして米国証券口座の開設ができるか

最近、アメリカでの口座開設について調べる機会がありました。

アメリカの市民権を持たない日本国籍の日本人が、日本にいながらにしてアメリカに証券口座を開設できるかどうか、ということです。調べたところ、どうやら、金融機関によっては(→ここ重要です)、可能である、ということのようです。

ある(外国の方の)個人ブログに、アメリカ以外に在住の外国人でも、アメリカの証券会社に口座を開設して、好調な米国株を買い付けよう、というものもありました。

日本の証券会社で米国株取り扱いのある会社に口座を開設して(例えば、マネックス証券やSBI証券等)、米国株を買い付けることもできますが、外国株式ですので、現地で買うよりも手数料がかかります。

それならば、アメリカの証券会社の口座に口座開設して、直接株式を買い付ければいいのでは?という発想になりますね。

外国の証券会社に口座を持つリスク

確かに、手数料だけみれば、日本の証券会社で買い付けるより有利かもしれません。しかし、外国の証券会社で買い付けた場合には、様々なリスクがあることを忘れないようにしなければなりません。そのひとつが、海外相続のリスクです。

海外に財産を持つ、ということについては、投資の観点からは、分散投資というメリットがあります。

しかしながら、同時に、海外資産を保有することに伴うリスクも忘れないようにしなければなりません。

見落とされがちな国際相続リスク


海外の相続のリスクは見落とされがちなのですが、事前に備えておかない場合、もしものことが起こった時に、財産を簡単に流動化できずに、残された家族に、金銭的にも期間的にも、相当の負担をかけることになりかねません。

外国に資産を持つときには、この国際相続リスクについても考え、事前に、撤退ライン(生存中に国内に資産移動すること)についてお考えいただくことや、相続の際にどのような手続が必要になるか等、十分にご確認いただくことをおすすめいたします。

国際相続の負担


2022年2月13日付の日経ヴェリタスに、海外相続リスクについての記事がありましたので、本記事に追記いたします。執筆されたのは、「国際相続ガイドブック」の著者である三輪 壮一氏です。(※是非、書籍の電子版の発行をお願いしたいです。)

当記事の中でも言及されていましたが、海外の資産のご相続には、相続人に様々な負担がのしかかってきます。

具体的には、以下があげられます。

①外国語(英語)での通信が必要
翻訳・通訳アプリの精度はあがってきていますが、微妙なニュアンスを伝えたいとき、そして専門用語を多用する場合など、日常/ビジネス会話よりも難度があがってきます。

②時差
一般的な問い合わせは24時間対応可能という金融機関もありますが、個別の具体的な件の問い合わせとなると、特定の部署宛に、やはり現地時間内に電話する、等の対応を求められることがあります。

③海外特有の手続が必要
大陸法由来の日本の法律とは異なる英米法の国などでの手続では、相続の考え方や手続が、そもそも異なります。
日本で合法的に手続が完了していたとしても、それをすんなり認めてくださらない場合もあります。裁判所でのプロベイト(Probate)や、税務関係の手続(米国では、706NAの申請)が必要と言われることも多々あります。

④日本の事務感覚と海外の事務感覚の違い
問い合わせをしても、その担当者が責任を持って回答してくれるとは限りません。延々とたらいまわしにされた挙句、「コールバックする」と言って電話を切られ、その後、音沙汰無しということも、ままあることです。或いは、電子メールや問い合わせフォームで問い合わせても、一切返信無しということもよくあります。
日本で、このような対応をされた場合は、その企業に苦情でも一本入れるところかもしれませんが、海外の対応としては、それほど珍しいことではありません。苦情を入れたとしても、それもスルーされる可能性が高いでしょう。

国際相続をあきらめないで


上記のような困難に直面し、精神的な負担も大きく、もう、海外の資産はそのままでいいと、半ば諦めの境地に至ってしまうこともあるかもしれません。(かなり高額である場合は、諦めるということは選択肢に無い場合もあると思いますが…。)
専門家の力を借りれば、スムーズに進むケースも無きにしもあらずといえますし、事実、当事務所でサポートさせていただいた件では、殆どのケースでご資産が相続人のお手元に戻ってきています。
海外のご資産のご相続でお困りの際には、一度、専門事務所へご相談されてみてはいかがでしょうか。

(笹山)

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海外の相続に関してお困りの際は、まずは、ご相談で詳細をお聞かせください。海外の弁護士事務所・会計事務所との通信代行、書類翻訳、進め方についての各種コンサルティングが可能です。

※個別の日本の相続税に関するご相談については、税理士をご紹介いたします。


心に不安やすっきりしない気持ちを抱えたままの状況から、
一歩進みだすお手伝いができれば幸いです。

当事務所は、
「海外資産のお悩みをひとつでも減らすこと」
「資産と安心をお手元に届けること」
を使命としています。

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