2018年9月20日木曜日

香港ご資産のご相続について

香港にご相続財産を残してお亡くなりになった場合、ご資産については、現地の裁判所で検認手続を経てから金融機関での解約手続となります。



香港のご資産のご相続の案件について、2年以上取り組んできたケースがありますが、やっと解約できそうで、とても嬉しいです。…ご相続の件で「嬉しい」という表現は適切ではないかもしれませんが…。

香港の国際相続

遺言が残されていなかった場合、不動産には香港の法律が適用され、動産には、お亡くなりになった方の住居地管轄の法律が適用されるようです。

検認登録裁判所(Probate Registry)からは、一般的に、法律の資格を有する専門家による、法律に関する証明書(Affidavit)を求められます。

香港の裁判所での検認手続は時間がかかることが通常であり、1年位かかるのは普通、複雑なケース(香港以外でお亡くなりになった方の場合等)については、1年以上かかることが多いとのことです。

香港の裁判所での検認手続

現地裁判所の検認の手続が必要となる場合、書類の確認・提出から現地裁判所からのレスポンスを得るまでに数ヶ月かかることもあります(国にもよると思いますが)。書類の提出が1度で済めばよいのですが、殆どのケースでは、何回か提出する必要があります。海外の裁判所も、国をまたがる相続に関しては、不慣れなことも多いようです。

そのため、相続書類に関する日本国内での認証の手間も費用もかさみますし、何よりも、「ただ待っている」という時間が多くなり、私もお客様も待ちくたびれてしまいます。

また、事務所や担当者によるかもしれませんが、香港からのレターでは、英語の文章の書き方も独特なものがあります(私が感じただけですが)。

海外の検認書類については、おおよそ、どこの国も揃える書類は似通っているように思います。しかし、提出書類に署名する専門家に実務歴等の要件があったりしますので、どの案件についても、どんな専門家でもできる、という訳ではなさそうです。

香港に投資用口座をお持ちの場合は対策を

一時期、個人様の投資の一環で、直接香港へ赴き、滞在して口座開設し…という話を多く聞いたことがあります。今もあるのかもしれませんが。

相続対策をなされていないご資産が香港にある場合は、相続手続には、日本での相続と比較して(争いが無い普通の相続の場合と比較して)、残されたご相続人の方が、かなり苦労することになるのではないかと思います。

その場合、遺言を残しておくと、お亡くなりになった後の手続の負担が軽減されるかもしれません。海外にお口座を開設する際には、相続の対策まで考えておいたほうがよいと、感じています。

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■ 執筆者紹介 ■

笹山千惠子(Chieko Sasayama)
- CS planning(FPオフィス) 代表
ファイナンシャル・プランニング技能士(AFP)
行政書士 (登録番号 第10091566)
個人情報保護士(2010年合格)
著作権相談員名簿(文化庁等に提出)登載
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