2017年8月22日火曜日

海外から送られてきた小切手を換金する

海外から送られてきた小切手を換金する


外国の金融機関口座を閉鎖した場合等、口座解約時点での残高は、銀行間送金(wire transfer)又は小切手(チェック:check)で日本へ送金されることになります。海外の金融機関によっては、そのどちらかしか取り扱わないということもあるようです。特に、Unclaimed Property(未請求資産)として返還される資金は、基本的に外国小切手で日本へ返還されます。

海外から普通郵便で、さりげなくチェックが送られてくることもあるので、かなり驚くことがあります…!
お客様によっては、海外送金(wire transfer)での送金を強く希望される方もいらっしゃいます。ただ、海外送金については、マネーロンダリング対策など犯罪防止の観点から本人確認が厳しくなっており、どうしても小切手でしか払い出しいただけない場合もあります。




外国小切手の換金は難しくなっている


数人のお客様から、最近、海外から送付されてきた小切手の換金の手続きに時間がかかっているという連絡がありました。
昨今の海外情勢等々を鑑み、国際間の資金移動は難しさを増しているように思います。

小切手の換金に係る手数料は、金融機関によって異なりますが、額が少ない場合でも、おおよそ3,000円~5,000円かかります。そのため、株式の配当などで、少額の小切手を受け取った場合(1ドルなど…)は、銀行に支払う換金手数料のほうが多くなってしまいますから、配当を受け取ったものの、換金できないという事態に陥ることもあります。

小切手については有効期限もありますので、為替レートの動きは気になるところですが、受領したら、早めに換金手続をしましょう。

外国小切手の名義人名が自分ではない場合はどうしたらよいか



外国小切手の名義人が自分ではない場合としては、以下のようなケースが考えられます。

1.発行側のミスでスペルが間違っている
2.旧姓で発行されている
3.亡くなった配偶者が保有している証券等の配当が小切手で送られてきた

1.2.の場合は、海外の金融機関に連絡をして、正しい名前に変更した小切手を発行してもらう必要があるでしょう。

旧姓で発行されている場合は、小切手の名前を新姓に修正してもらう前に、姓の変更手続(Name Change)をする必要があるかと思います。その際には、姓の変更を証明する証明書や、本人確認としてパスポート証明を提出する必要があるかもしれません。

3.のケースは、ご相続の手続が完了していないのであれば、ご相続手続をする必要があります。(ただし、場合によっては、日本の銀行等で、事情を理解したうえで、換金してくださることもあったようです。しかし、稀なケースと思います。)


小切手発行の日本と外国の違い



小切手は、通常、当座預金口座を持っていれば発行できます。しかし、日本で当座預金口座を個人でお持ちの方は、そう多くないと思いますので、個人が小切手を発行するということ自体、あまり馴染みのない行為のように思います。

一方、アメリカやシンガポール等、外国では普通預金(ordinary savings account)の口座開設と同時にchecking accountを開設することもあるので、個人でも小切手を発行することがあります。

個人が発行した場合は、個人の債務返済能力によるため、不渡りになることがあったりと、現金化できないリスクがあります。
そのため、日本で外国小切手を換金する際に、日本の銀行では、不渡りのリスクについて窓口で説明するため、換金する方を不安にさせることがあるようです。

※2018年10月追記:銀行によっては、小切手の換金を受け付けていない(受付を取り止めている)場合もあるようです。もし小切手を受領される予定がある場合には、事前に銀行へ相談・確認されることをお勧めします。

(最終更新日:2022年8月)

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■ 執筆者紹介 ■

笹山千惠子(Chieko Sasayama)
- CS planning(FPオフィス) 代表
ファイナンシャル・プランニング技能士(AFP)
行政書士 (登録番号 第10091566)
個人情報保護士(2010年合格)
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