2021年8月4日水曜日

米国の連邦遺産税・相続プランニング(Journal of Financial Planning 2020.7より)

 『Journal of Financial Planning』というFP協会から毎月送られてくる雑誌があります。その過去記事の中に『米国の相続プランニング最新動向』という記事がありました。

◎FPジャーナル↓

https://www.jafp.or.jp/kojin/support/journal/

参考になりましたので、以下、その記事について、興味をひいた部分について一部抜粋引用&まとめです。

米国の連邦遺産税(Estate tax

米国の連邦遺産税(エステート・タックス Estate tax)の基礎控除額は日本円換算約12億5,000万円(2020年)夫婦で合算して申告する場合はこの額の2倍。

※ただし、州独自の遺産税制度を設けていたり、相続人に対して相続税を課す州もあるため、どの州在住であったかによって、支払うべき税額は変わってくる。

撤回可能生前信託(Revocable Living Trust = RLT)

存命中は、受益者の同意なしに信託の変更や撤回が可能。これがあれば、裁判所による検認(プロベイト)を回避できるため、米国では、多くの相続で活用されている。

2020年1月施行のSECURE法(退職貯蓄制度強化法)

これまで相続したIRA(個人退職勘定)は、引き出さずに何世代にもわたり継承することができていたが、この法律により、相続から10年以内の全額引き出しが原則化された。ロスIRAへの転換などへの増加が見込まれる。

※ロスIRA:運用時非課税、受給時原則非課税。いわゆる退職年金。

統一電子遺言法(Uniform Electronic Wills Act)

ネバダ・インディアナ・アリゾナで適用されている。遺言の真正性を確保したまま、オンラインで執行することを認めている。証人2人の電子証明を加えなければならない。

※本ブログ執筆は2021年8月ですが、法文書も、オンライン化が進んでいるように思います。米国裁判所への書類提出も電子申請が進んでおり、公証も電子公証が進んでいます。そのうち、日本でも電子遺言というのが始まるのではないでしょうか。

デジタル資産へのアクセス

ニューヨーク州で、デジタル資産へのアクセス権をめぐり、訴訟がおきた。遺言執行人が故人のアカウントへのアクセスを求めたが、アップル側はこれを拒否。裁判の結果として、遺言執行人の訴えは認められた。

※故人のデジタルアカウントIDやパスワードは、誰かが把握できるようにしておかなければならないですね…。

以上、Journal of Financial Planning 2020.7 p.42-43 「米国版を読む!米国の相続プランニング最新動向」より。


※税金について、当事務所でお伝えできるのは、一般的な情報についてです。個別具体的なご相談については、税理士にご相談ください。当事務所へご連絡いただいた場合、税理士事務所をご紹介いたします。

海外遺産の額が分からない・・・

最後の記事からかなり間が空いてしまいました。2024年も4月後半。時の過ぎるのは速いですね。さて、今回は『 海外遺産の額が分からない・・・ 』というタイトルの記事です。 前提として、海外遺産の額はどうやったら分かるの?ということですが、海外の遺産の額は、Statement(ステー...